2010.12.09修正
授業の目的: 来る3回生の時の地理学実習旅行で地理学徒らしい調査ができるようにすること。さらには一定の水準に達しうる卒論を書く技術を養うよう努力するし君たちに期待する。
春学期では水田先生と松原先生によって人文分野からの研究法が実施された。この秋学期では自然地理学の基礎を踏まえての授業を展開する。地理情報システムの授業では,高機能フリーウェアの地理情報システム(GIS)であるGRASSを使った授業が展開された筈で,本授業ではGISそのものについては触れない。なお,授業内容は自然地理学だけでなく社会科学研究に有効であるし,就職後のデータ処理に生かされうる。あまりにも時間が限られているので,授業前後の君たちの努力に期待したい。
君たちの義務: 昨年度までは毎回の授業での君たちのメモや出力を提出させてきたが少数の学生を除いて惨憺たるものなので,方針を変えた。授業プロセスと次々とドリルを実施しその都度,提出させてチェックする形を取った。メモ内容はやはり惨憺たるものであるが,当方のウェブサイトを併せてみることで,自ら作業しうる環境作りが可能かと,楽天的に期待している。2回終わっての感想である。なお,この半期のうち,学んだ筈のことができるかどうかを確認すべく,数回,作業結果を求める試験を実施する。
USBメモリーを各自購入し、毎回持参すること。
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第1回 9/21
第2回 9/28
第3回 10/05
第4回 10/12
第5回 10/19
第6回 10/26
第7回 11/02
第8回 11/09
第9回 11/16
第10回 11/30
第11回 12/07
第12回 12/14
第13,14回 1/11, 18(補講)
情報演習室Aにて
2010年度第1回 Sep. 21, 2010
1. 秋学期の到達スタンダードの連絡: お絵かきではない主題図(GIS, Remote Sensingなど)の作成と続統計学の基礎
2. 地形図に絡む座標系の理解1
2. 地形図に絡む座標系の理解1
2.1 http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~moto/GIS_Frameset.html,の「GISの周辺」の☆投影法に係わって,を参照: ガウス=クリューゲル図法に属するUTM座標系を説明。
2.3 「GISの周辺」の☆世界測地系とは,を参照: 世界測地系を日本が採用する意味と世界測地系の中味
課題
I 経緯度とUTM座標値との関係
1. 合衆国Statue of Libertyの経緯度をGoogle Earthで求める:
2. この経緯度からUTM座標系のzone名称を求める:
3. UTM経度ゾーンの原点の経度を求める:
4. 経緯度をUTM座標値(Easting, Northing)に小林和夫さんの作成された utm_zone.xlsを使って変換する(このweb pageの,ガウス・クリューゲル投影の座標変換(UTM,XY),からのリンクページに掲載されている):
5. (確認)この計算結果は,ゾーンの原点から東へ,北へそれぞれkmか:
6. 関西大学正門そばの時計台のUTM座標値を求めなさい。
II 経緯度と日本の平面直角座標値との関係
1. 茨木市域桑原付近が含まれる大阪府大縮尺地形図1/3000(1961年撮影)の画像データから所定の平面直角座標値(y, x)をイラストレータを使って求める。
平面直角座標系の地形図の特徴を観察しその特徴を把握する(真北と図廓の関係,図廓の4隅の数値の単位):
ここまでを実施した。なお,教材は大阪府が作成した茨木市桑原付近の大K5-8の地図を使用した。
情報演習室Aにて
2010年度第2回 Sep. 28, 2010
I 旧日本測地系の平面直角座標系(例えば大阪が含まれるVI系)の関係
1.1 国土地理院のサイトhttp://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/tky2jgd/ を使って旧日本測地系と世界測地系の原点の移動量(経緯度)を計算。
1.2 茨木市のある地点の旧測地系の平面直角座標値を同サイトを使って世界測地系の平面直角座標値に変換。
II 自分の実家の測点(世界測地系の経緯度)をGoogle Earthを使って地図上にプロットする。
課題
I 旧日本測地系の平面直角座標値と経緯度
1.1 茨木市域桑原付近が含まれる大阪府大縮尺地形図1/3000(1961年撮影)(第1回にリンクあり)の画像データから所定の平面直角座標値(y, x)をイラストレータを使って求める。
1.1 平面直角座標図の特徴を観察すること。
1.2 イラストレータの線ツールでeastingとnorthingの長さを測って,スケールとの対応関係を見て,地上での実距離を求める。
1.3 そのあとで,イラストレータの座標表示(左下が原点)を使って平面直角座標値を求める。
1.4 平面直角座標系VI系原点の位置を下記のサイトを使って表示し,大阪の座標系での位置を確認しなさい。
グーグルアースの旅 http://google-earth-travel.net/maps/
1.5 国土地理院 のweb版TKY2JGD http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/tky2jgd/ にアクセスして,計算をする。
(北緯36度,東経136度)を入力して,日本測地系 → 世界測地系 ,を実施。
その計算結果から,グーグルアースの旅,を使って位置を表示し,第VI系の原点の地上での移動量を見る。
1.6 1.の演習で実施して得られた平面直角座標値(旧日本測地系)をweb版TKY2JGD に入力して,世界測地系での,平面直角座標値を得る。その値の間の(easting, northing)の移動量を求める。地上での距離を求める。
II 自分の実家の測点(世界測地系の経緯度)をGoogle Earthを使って地図上にプロットしなさい。
1. まず住所をジャンプ窓に入力して実家近くの表示をする。
2. 適当な場所の経緯度を求める。それをexelを使って度表示に換算(eg. 35.6582,139.7456)する。
3. 改めて,その経緯度値をジャンプ窓に入力して,画像を表示する。
4. 適当な写真を画面上にドラッグアンドドロップする。
5. http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~moto/GISContents/57.htm を参照して写真を登録しkmzファイル(http://ccfa.info/ext/k/kmz.html)を作る。
地表画像と写真がいずれも表示されているものをグレイ印刷する。
6. kmzファイルをダブルクリックしてGoogle Earthで先ほどの地図と写真を見る。
以 上
課題:
原理と処理法については教室に戻って説明する。Excelファイルをダウンロード。
II トータルステーション設置点を世界測地系に載せるという想定
2.1 http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~moto/GIS_Frameset.html,の「GISの周辺」の☆投影法に係わって,の「現地測量で得た測点の地磁気補正と測地系変換」を再度参照: ここで実際のGPS値を使って地図にプロットする過程を示す。
2.2 トータルステーション設置点のGPSによる計測値を使って世界測地系のUTM座標値を計測。
2.3 地磁気補正を実施する。トータルステーションはコンパスを使って方位を決めている。そのため,その地点の経緯度から真北を決定する必要がある。磁北と真北の関係を求めなさい。
2.4 トータルステーション設置点の測量結果を平面直角座標系に載せるために,この座標値を求めなさい。
2.5 前述のExcelファイルを使って,別の点を計算しなさい。
情報演習室Aにて
2010年度第4回 Oct. 12, 2010
追加: 先週の測量結果の整理法について説明する。
I DEM digital elevation modelをGoogle Earthで実感する。
II DEM digital elevation modelをフリーウェアのカシミールで実感する。
連絡:来週は1日中,会議をしているが,四限,五限の授業を実施する。五限は午後5時過ぎには木庭は到着する。その間,第5回 Oct. 19,に掲載する演習を実施すること。
課題
追加の測量結果の整理法に時間がかかった。簡単な作業ではあるが,理解に時間を要した。
I DEMの実感: Google Earthを使って
1.1 Google Earthについてはこれまでの授業で実感しているから特にここでは述べないが,国土地理院の地形図をGoole EarthのDEM上に載せて,実家がある場所を印刷する。
http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~moto/GIS_Frameset.html を参照。左フレームの,「Googleの活用」の,Google EarthとMapのメモ,に入る。そして,GoogleEarthで国土地理院2万5千分の1地形図を立体的にみる,を参照。
1.2 まずは木庭が自宅を表示する。その後,君たちが実施しなさい。
II DEMの実感: フリーウェア「カシミール」を使って
結局,カシミールの紹介に終わった。
次回以降に変更。
仮置き(今後の実習時間に入れ込む予定):
測量学とは異なり一人でできる簡易測量を中心とする。
その1: 歩測の歩き方(複歩)を説明。歩測を実施。50mを3往復,または30mを4往復。(画板を使った測量については別途)
(時間があれば)地図関係のデータベースの紹介
4限全部と,5限の途中までに君たちが実施する課題:
1. フランスのエッフェル塔の頂部の経緯度を求め,この経緯度からUTM座標系のゾーン名称を求めなさい。
2. この経緯度から国土地理院のサイトを使ってUTM座標値
(Northing x,Easting y)を求めなさい。
3. このページにリンクしている大K5-8の地図を使って,次ぎに掲載したの図の●印の位置の,平面直角座標系の座標値を求めなさい。
この●を示した場所は,大K5-8の地図の東側をほぼ南流する安威川の谷から平野部に出る峡谷部に対応している。
4. 得られた平面直角座標値(旧日本測地系)をweb版TKY2JGD に入力して,世界測地系での,平面直角座標値を得なさい。
5. さて,ぼくのこのウェブサイトの,地理情報システム/Googleの活用/Google EarthとMapのメモ/Google Mapから経緯度を得る/を参照して,上記の地点の経緯度を別途,求めなさい。
さて,以上の作業結果を,Wordでまとめて印刷して,木庭登場までお待ちください。
これまでの授業をまとめたものも,提出してください。
地図画像のDEM上への貼り付けをカシミールで実施
1 「DEM上 に複数の地図画像を貼り付けて」 http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~moto/GISContents/45.htm を参照のこと。
2 「I 一つ一つのビットマップのDEM上への貼り付け」だけを実施する。前回使った茨木市(桑原などを含む)の1/3000地形図(第1回で使用した茨木市桑原付近の大K5-8の地図を使用)をカシミールに貼り付けなさい。このウェブページに記述した順序に従うこと。
3 カシミールに読み込む地図画像はPhotoshopなどでビットマップ(BMP)ファイルとする。rgb
その地図が矩形の場合は,左上隅と右下隅の経緯度を調べておくこと。###度##分##.##秒の形で記録すること。基図の4隅の経緯度情報がある場合はそれを使うが,もし既存情報がない場合は,対角方向のできるだけ離れた2点以上の経緯度をGoogle Earthやうぉ地図などで調べておく必要がある。
4 ファイル/開く/地図/BMP地図/,から,自作のビットマップファイル(8bit/p以上,rgbなどのカラーまたはグレーが必要)を指定する。
5 地図情報の設定画面になる。左上と右下の経緯度を入力して正確な位置決めをする。
わかっている緯度経度が左上と右下以外の場合は、あとから調整することができるので,一旦はOKを押して地図を表示させることができる。
編集/標高データを重ねる(MAT図作成)。これを実施して初めてレリーフマップなどの表示が可能となる。
6 別の地図を使って各自実施。
以 上
文情報演習室Cにて。
次ぎに示した作業を主に実施するが君たちのpcのGRASS-GISの使用環境を確かめるために,まずはGRASS-GISを実施する。かならずusb memoryを持参すること。2GB以上が使えるものを持参すること。
http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~moto/GIS_Frameset.html このページの左フレームの,DEM上の画像をカシバードで,を参照。カシミールのカシバードを使って,DEM上に画像を配置する。なお,これが完了したら君たち持参の画像を実施する予定であったが,前回のように個人差が大きいと指導できないので,自分での練習は屋久島の人工衛星データを使いたい。
文情報演習室Cにて。
http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~moto/GIS_Frameset.html の左フレームの,
☆ 全国整備されたフリー10mメッシュのダウンロード,そしてカシミール用とGRASS用の変換,必要矩形領域のファイル名検索
☆ 国土基盤情報10mメッシュ標高のGrassへの取り込み
を実施する。
情報演習室Aにて
1
. GrassをwxPythonで立ち上げた。tcl/tkの問題は解消した。UTM座標系での距離測定,断面作成,画像演算コマンドr.mapcalculatorを触る。
地理学実習室にて
2. そのあと,航空写真判読法その1:
国土地理院の地図サイトから該当部分をダウンロードして印刷する。
なお,Photoshop CSでまるごと印刷するのにメインメニューの「ヘルプ/画像サイズの変更」か,プリントプレビューからメディアサイズに合わせて拡大縮小にチェックを入れる。
情報演習室Aにて
1
. GrassをwxPythonで開いて,r.mapcalculatorで接峰面図などを作成する。
地理学実習室にて
2. 航空写真判読法その2:実体写真の原理,裸眼実体視,立体写真の撮影。印刷したもので作業を実施する。
(下記の件はGISで時間があれば実施する: 実体鏡を使って,隣接する空中写真の主点を求め,それぞれに移して基線を引き,1直線上に載せて,実体視する。
出力した地図と空中写真から,木庭が指示する等高線の空中写真の縮尺と飛行高度を求める。両主点,両基線を描き,基線長を求める。
段丘面や河川の氾濫原での縮尺を別途求めて,ほぼ矩形領域の面積を空中写真から求めて,地図で求めた値の比較を実施します。浮標を実感する作業を実施します)
航空写真判読法その3: 木庭が用意したペア写真を使って,個々のテーマで教員と相談しながら実施。実体視をすることで見いだせるもの,とくに地形に拘って実施。
旧測地系の京都及大阪のリージョンで次のような作業を実施する。
1. リージョンの設定
2. 京都及大阪の地勢図地図画像をgeotifに変換してGrassに取り込む。
3. 国土情報基盤の行政区分の面ベクトルをダウンロードして,ogr2ogrコマンドを使って新測地系2000経緯度座標系から旧測地系UTMmに変換する。
4. Grassに取り込んで,nviz(Windowsの場合,tcltkのアプリで利用可能)などで表示する。
地理情報システムを実習報告書の作成や卒論作成,さらに社会に出てからの分析ツールとして,Grassとこの周辺に絡むツールを紹介すると急に気持ちが動き,シラバスそっちのけで,これまで試行錯誤してきた。ぼくのweb-siteを見れば,自分のPCに多くは無料のソフトをインストールして,フリーウェアのGISを自らのものとすることができる。
本日は,昨週実施した。国土交通省のベクトルファイルの利用を続ける。
それが終わったら,茨木市およびその周辺10mメッシュを使って,地形分析を実施する。
各自,別々のregionで,実施することが必要である。表示した画像はWordに取り込んでまとめて来週にレポート提出。
接峰面図,接谷面図,起伏量図,比較的規模の大きな地形変換線の抽出,の演習を実施。
地形と流域の分析,の演習を実施。
各自,別々のregionで,実施することが必要である。表示した画像はWordに取り込んでまとめて来週にレポート提出。
本年度の授業についての感想:結局,誰も自らのpcにgrassやカシミールを入れて種々の演習プロセスを積極的にしていただけなかった。まあ,この教育の場での,限界ということだろう。
以 上