MacBookProのハードディスク換装
Apr. 13, 08
以下に初代MacBookProのハードディスク換装について,記す。最大の問題は,BootCamp上のWindowsパーティションのバックアップであったが,うまく行かなかった。結局,個々のアプリケーションを再インストール必要がある(これからだ)。
換装で最も心残りだったのは,キーボード側と液晶パネル側の間に,分解前よりも隙間ができた(?)ことである。いくつかのサイトにHDDの乾燥法が示されているが,この点では適切ではないと考えている。次回(できればあって欲しくない),このMBPの HD交換をする場合には,下記の注意点を守ることであろう。
ハードディスクの選択で最も気を遣ったのは,速度,温度,騒音,である。もちろん現容量100GB(実質90GB)の2倍は必要であった。
結論は,WD Scorpio 320GB [WD3200BEVT/B] (SATA 3.0GB/s)。 秋葉館のサイトで初めは知ったが,購入しようとした時は在庫なし。九十九電機に在庫があり,購入。Western Digitalというメーカーを知らなかったが,Appleでも採用しているようだ。320 GB,3 Gb/s,8 MB キャッシュ,5400 RPM。
もともと内蔵されているものは,東芝製 MK1032GSX 2.5inches, 100GB実質92GB, 9.5mm厚,5400rpm,cache memory 16MB,SATAである。速度は同じだ。キャッシュが半減するから遅いのではと思った。
乾燥後の結果を言えば,かなり早くなった。WDが容量が大きいのでマップ密度が高くなったためであろう。
WDも静音を歌っているが,音は東芝の方が小さい。換装後にまずはその低い回転音を聞いてがっかりしたが,深夜のためもあったろう。今は全く気にならない。温度であるが,東芝と比べると多少,低温になった。という訳で,この選択は幸運であった。
東芝の内蔵ディスクを外部ディスクに使うためであるが,換装前のバックアップのこともあり,ハードディスクケースを秋葉館で購入した。Serial nano 秋葉館オリジナル 2.5" HD FireWire800 & USB2.0 Case [AKB25SF8] である。どうもこれしか,無いようである。Firewireソケットが800 Mb/s しか無いので,ぼくのMBPだと,秋葉館の変換ケーブルが必要である。
WDのハードディスクをハードディスクケースに入れて,Firewire800→400ケーブルを介してMBPのFirewire 400のソケットにつなぐ。USBソケットの隣の電源スウィッチを入れる。低いモーターの回転音。
アプリケーション/ユーティリティ/ディスクユーティリティ,を立ち上げる。左のウィンドウにWDが表示される。ディスクの説明:容量298.1GB,パーティションマップ方式:フォーマットされていません。
ディスクユーティリティのパーティションタブを選択。ボリューム方式を1パーティションとし,ボリューム情報とは,名前:Macintosh HD,フォーマット:MacOS拡張(ジャーナリング),オプション:GUIDパーティションテーブル(インターナル起動ディスクとして)。結果,デスクトップ上にHDアイコンが表示された。 First Aidタブで早速ディスクの検証を実施する。OK。
内蔵ハードディスクの内容のうち,Macitosh HDだけをバックアップ。BootCamp上のWindowsパーティションはバックアップできない。
1. Carbon Copy Clonerは日本語化されており,操作が単純で,大変使いやすい。 Apr. 11 0:04スタート,2:21つまり,60GBをほぼ2時間20分で完了。
2. WDで起動。OK。
このあと,
アプリケーション/ユーティリティ/Boot Campアシスタントを立ち上げたが,次のアラートが出た:外付けのディスクドライブにパーティションを作成できません。
外付けハードディスクにはもうこれ以上,何もできないので,ハードディスク換装の段階になる。
MBPのハードディスク換装は,MacBookと比べるとハード。でも実際に換装した経験で言えば,iBookの1/10の労力か。ウェブ上の情報では手数料に14000円も取られる場合があるようだから,ちょっと暴利か。換装に関するウェブサイトはいくつかある。
a. このMBPが発売されたのに併せて,mac.ascii24.comに詳細に説明されている。
b. このサイトは17インチ用であるが,ドライバーの情報があり,参考になった。分解に必要なドライバーは二種類である。00番+ドライバー,T6トルクスである。
00番+ドライバーは,DIYショップのコーナンで購入。株式会社ベッセル(http://www.vessel.co.jp/)製ベッセル精密ドライバーNo. TD-51は200円はしなかった? T6トルクスは,iBookの換装の際にソフマップで購入(バリューウェーブ)。先が星形のもので,メモリーボード設置位置の上部左右の2箇所にしか使用しない。このドライバーがあると便利ではある。秋葉原HiTech館などにもある。
さて,換装であるが,上のa.のサイトの作業プロセスのすべては必ずしも必要がない。
1. タオルを下敷きにして,蓋との蝶番側を奥にパームレストを手前にする方向で,裏面を上にして,充電池を外す。次に,充電池のすぐ奥側メモリーが入っているケースの部分の00+ネジ3本を外してカバーを剥がす。メモリが露出する。二枚を一枚ずつ外す(このMBPは最大2GB,1GB×2)。左右側面のバネを外側に押すといずれも簡単に外れる。
2. メモリの左右奥側の2箇所のT6トルクネジと,奥辺の4本の00+ネジを外すことになる。ただ,構造上,なぜこれが必要なのかわからない。私は盲目的にこれをやってしまったが,分解後に気づいた。充電池が入っていたスペースの手前側面の2本のネジは必ず外す必要がある。
3. 側面奥の蝶番外側のそれぞれ1本のネジを外す。左右側面のそれぞれ4本のネジを外す。これらの作業の際には,MBPはネジ部を上にするように側面を立てればいい。
4. MBPの蓋が上面に,パームレストが手前になるように,MBPをひっくり返す。そして蓋を開ける。キーボードなど底部側の上面,全体を外す。一枚にキーボード,パームレスト,トラックパッドが載っている。奥側から簡単に外れる。僕の場合,右下が引っかかって外れにくかった。この後の作業の間かけていたが,平面に静置した方が良かったと今は反省している。
下の写真は,キーボードなどのパネルを外したあとの映像である。赤丸の部分には,キーボードなどのパネルのケーブルコネクタが刺さっていた所で,換装ののち,再度,ケーブルコネクタをここに差し戻す必要がある。
図1
下の写真は上野写真部分も含んだ下部パネルの全体を示す。
図2 左下にハードディスクが見える。
5. ハードディスクが接続されているのは,奥辺の接続端子との間だけで,左右辺,手前辺は何も接続されていない。平たい信号ケーブルと二つのコネクター(下面に両面テープが付いている)がハードディスクの上面に,黄色のテープとともに貼り付けられているが,静かに外せば問題がない。
図3 信号ケーブルとコネクタを剥がしたところ
図4 右辺に織り込まれたケーブルを引き出したところ
図5 奥辺(ここでは右端)の接続端子以外が外れたところ
ハードディスクの接続端子はオス,奥辺(ここでは右端)の本体側のシリアルATAケーブルの端子(未固定)はメス。
図6 左は元の内蔵HDで,右は新規の内蔵HD
6.図6の左の東芝製HDには,パソコンケースでHDを固定するための隙間材であるゴムブッシュが付いている。手前側(もとの右辺)には金属製フレームがついている。4箇所ともにT6トルクス。右の新しいWD製ハードディスクに付け替える。
7. 換装後,逆方向で組み立てればいいのだが,キーボードなどのパネルをまずはそのケーブルを本体側のコネクターに接続し,ゆっくりと水平にして本体に戻す。そして,しっかり押し込んで,指で掴みながら,右辺と左辺の00+ネジ8本を締める。さらに,裏返して,充電池装填部の手前側のネジ2本をやはり指でしっかり掴みながら締める。
8. そして,蝶番部の左右にあるネジを締めるのであるが,液晶パネルの蓋をしっかりして,本体と蓋とのずれがないように締め付ける。
9. もし,裏面のネジを外したのであれば,締める。
10. 私の場合,本体と蓋の間の隙間が均等ではなく,側面および蝶番部左右のネジで調整を繰り返した。 裏面のネジを外さなければこのような事態は生じなかったかもしれない。
アプリケーション/ユーティリティ/Boot Camp アシスタント,を立ち上げる。インストールと設定ガイド(27p.)を印刷する。指示に従って進めてゆく。300GBのうち,200GBをMac,100GBをWindowsのパーティションにする。
Windowsのインストール時には,正しいパーティションを選択しなければならない。
C:パーティション3:BOOTCAMP[FAT32] 100245MB (100219MB空き)
先の処理ではコンピュータが起動できない。Windowsインストーラで再フォーマットする必要がある。
NTFSファイル システムを使用してパーティションをフォーマット(クイック)
を選んだ。コンピュータ名,ユーザー名,Administratorのパスワードを設定する。他にユーザー1は少なくとも追加する必要がある。
<ここで,Carbon Copy Clonerを使って,旧内蔵ディスク中のWindowsパーティションをコピーしようとした。CCCでこれは読み込めるが,ターゲットの内蔵HDのWindowsパーティションを読み込むことができない。Sync!Sync!Sync!では両方を読み込めるが,Windowsのシステム関係の追加コピーしかできず,プログラムファイルなどをコピーできない。>
Windowsパーティション内でMacOSXディスクを使ってドライバをインストールする。
<ここで,Carbon Copy Clonerを使って,旧内蔵ディスク中のWindowsパーティションをコピーしようとした。CCCでこれは読み込めるが,ターゲットの内蔵HDのWindowsパーティションを読み込むことができない。Sync!Sync!Sync!では両方を読み込めるが,Windowsのシステム関係の追加コピーしかできず,プログラムファイルなどをコピーできない。>
結局,Windowsパーティションのバックアップはできない。これはかなり致命的なBoot Campの欠陥ではないか。
前のBoot Campであれば,Macのデスクトップ上のWindowsパーティションの名称を他のフォルダ名のように変更することができた。このLeopard付属のものではできず,Untitledと表記されている。Windowsドライブのアイコンの変更法などは,Mac OS X上のWindows Vistaドライブのアイコンを変更するには,や,ドライブアイコンを変える に掲載されている。
標記を実行するには,両サイトの方法を実施する必要はない。Windows XPのパーティションの変更は,Windowsから立ち上げて,スタートから「マイコンピュータ」 を開いて,Cドライブ名を選んで,フォルダ名称を変更する要領で実行できる。 ぼくは,Windows_XPとしている。
Macintoshのアイコンの変更は後者で紹介されているアイコン画像(Boot Camp DrivesのApple Only)をダウンロードして,情報を見る,から,左上のアイコンをクリックしてコピー,Macintosh HDの,情報を見る,から 左上のアイコンを選び,ペーストする。
なお,この後,結構,時間をさいて,種々,試行錯誤をして,次の段階に至った。その顛末と覚え書きを併せて次のページに記す。
以上