2005.12.17初記 06.7.1最終更新
科目名:知のナヴィゲータ- 担当者:木庭元晴
講義概要と講義計画
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第10回
第11回
第12回
[講義概要]
文学部のどの専修に進むにしても、大学生として学んでいくためには、いくつかの基礎技能を身につけておくことが必要である。この「知のナヴィゲーター」の目的は、特定の専修に進むために必要な知識の習得ではなく、大学生として学ぶためのスタディー・スキルの育成にある。それは具体的には次のようなものである。
(1)資料のポイントをつかむ:文献・資料を的確に読む能力。
(2)レジュメ・サマリーを作る:文献・資料の内容をまとめた文章を作成する能力。
(3)レポート・論文を書く:テーマに応じて、自分自身の見解をまとめた文章を作成する能力。
(4)プレゼンテーション:調査した内容や自己の見解を口頭で発表する能力。
(5)ディスカッション:発表内容を的確に聞き取り、質疑、議論する能力。
(6)モティベーションを高める:人文学の研究への動機づけやテーマ発見。
(7)図書館・コンピュータの利用技術:その他、大学での学習に必要な技術の習得。
これらのうち、どのスキルを重点的に扱うかはクラスによって異なるので、下記の「このクラスの概要」と「講義計画」を参照すること。
【このクラスの概要】
前記7項目のうち,すべてが対象となる。ただ次の講義計画で示すように,手法としては(4)と(5)が中心となる。
[講義計画]
下記の計画は,パソコン室を使えることが前提となっている。ところが,使える日は,初日,4/28,5/12,6/30である。これでも配分担当の先生にご尽力頂いた結果である。ITセンターでも使いたいとは思うが半期に1回しか使う権利がない。そのため,もとの講義計画を順次変更してゆく。
君たちは高等学校に導入された総合学習の最初の体験者である。自主性をただ育てることを目的とする高等学校での授業の歴史は日本にはないの で,総合学習の時間にあっては教師も生徒もとまどいの中にあったろう。授業担当者の私もこの点で君たちの側にいるので,君たちの意見もとり入れながら授業を進めてゆきたいと思う。私はこの「知のナヴィゲータ-」を担当して今回で3年目になる。過去2回の深い反省を踏まえて,次のように授業を進めることとし
た。
初めの回は,プレゼンテーション(以下プレゼン)またはそれに至る方法を示す。具体的にはインターネットからの情報ソースの紹介,その取り込みと編集法を教示する。そして,パワーポイントを使ったプレゼンファイルの作成過程を示す。なお,この授業の教材も含む私のウェブサイトとブロッグサイトの使い方を示す。
2回目には,私が提示する現代の複数のテーマ(たとえば大学の教養教育で第二外国語は必要か,農産物とくにコメの自由化の是非,高等学校の社会科で必修科目として何が適当か)から一つを選択し,各人がネットから資料を収集するなどして,プレゼンファイルを作成するといった実習を行う。
3回目(4回目は予備日)には,学生の希望を入れながら3〜4名からなるグ ループ分け(偶数)をまずは行う。グループ分けが終わったら,各グループはグループ内で話し合って,興味のある現代の環境,経済,社会,などの対立するまたは対立しうる問題を決定し,資料収集やプレゼン用原稿作成の分担を決定する。次回(5回目)まで
に,各自分担した部分を完成し話し合って資料を収集し発表資料を作成しなければならない。
5回目には,各グループで決めた発表担当者は,一つの問題とその問題を解決する上で対立する考え方や手法を紹介することになる。発表時間は1グループ5分程度とする。発表が終了したら,議論するペアとなるグループの組み合わせをして,さらに各ペアの6回目以降の発表順を抽選で決定することになる。
ただし,ペアとなるグループはそれぞれが提示したテーマ(計2テーマ)のいずれを先にするかを決定し,さらにそのテーマについて,問題解決法のいずれを選択するのかを決定する(テーマ提案グループには優先権は無い)。その後,ペア毎の一連のテーマ発表の順番を基本的には抽選で決定する。ペアグループの発表の順番が決まれば,それを2回繰り返すことで全テーマの発表が終わる。
6回目以降,問題解決案の討議をすることになるがその運営は次のようであ る。ただ,よりよい形を模索するつもりではあるが。 各グループは,「問題解決法の提案・議論」,「司会」,「フロアでの質問・討論」を担う。たとえば,
グループAとDが同一のテーマについて問題解決法の提案をする場合,司会はグ ループCの代表者が行い,一通りグループAとDのプレゼンと議論が終わった段階で,フロアから他のグループが質問や討論に参加し,グループAとグループDが対応する形をとる。一定時間の経過後,投票で勝ち負けを決定する。なお,問題解決法のプレゼンはパワーポイントを使って実施する。
たとえば6グループ3ペアの場合,1時限で二つのテーマを二つのペアで実施する場合,3時限分を要する。授業回数を12回と考えると,各グループの発表機会は4回となる。一巡したところでグループ分けを再度実施する。以上
〔成績評価の方法〕
平常点による。グループ作業のために,個々にレポートなどを課すことはしない。「グループの成果(ネットワークコンテンツ)」とともに「その作業の分担内容」に基づいて評価する。グループでのいわばリーダーをとくに評価することはせず,個々人の主体的成果を評価する。
〔その他付記すること〕
少人数で行なう授業(最大25名)のため、事前に抽選を行なう。受講希望者は4月4日(火)に実施される抽選科目受付の際に必ず申込書を提出すること。未提出者の受講は、原則として許可しない。なお、この授業の性質上、原則として上位年次者(2〜4年次)の受講は許可しない。
木庭のウェブサイトhttp://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~moto/ に教材を掲載する。ブログについては別途連絡する。 パソコンの知識が無くてもパソコンを所有していなくても問題はない。文学部および関西大学情報処理センターの施設を利用することで足りるよう配慮する。
文学部が提供する情報処理論,情報処理演習を履修することが望ましい。
〔教科書〕使用しない。
〔参考書〕使用しない。
第1回(4/7済み)23名出席
この授業の流れを示した。そして,木庭のウェブサイトの知ナヴィに関連するページを示し,この授業のために新たに作成したパワーポイント作成のためのコンテンツを紹介した。最後の10分ほどで,ワードへのインターネットコンテンツ(テキストと画像)の取り込み方を示した。
この日の反省点:コンテンツの取り込み方と編集法を提示するための十分な時間を用意しなかったことである。
第2回(4/14済み)25名全員出席
ディベートを知るために,ビジネス分野のビデオ教材(社会経済生産性本部作製 松本道弘監修 ぺらぺらのテープが94500円もします)を見てもらった。場所は外国語教育機構4F。通用門から入って文学部事務室に到着する手前左手の茶色の建物(岩崎記念館,入り口はガラス張り)。インフォメーションシステムに登録済み。
予定より早いが,最初のグループ分けもこの日に実施した。何らかの経験者6名,各人に3〜4名を男女比を考慮して配置した。
木庭が作成した「ディベート入門(未完)」(7ページ)を配布。一部説明した。
一つの新聞記事のコピーを木庭が25部用意した。各自,来週までに読んでディベートのテーマを一つ,考えること。
第3回(4/21)全員出席
先週と同じ場所で,前回に引き続き,生産性本部のビデオ(第2巻,解説版)を見た。
まずは前回配布資料について,一人一人の想定されるテーマを聞こうとしたが,読んでいる者が少なく,断念。そして,木庭の「入門」に従って,各グループのテーマ設定を各グループで話し合った。ほぼ1時間を要して,各グループのテーマをほぼ決定。修正の必要あり。1〜6班はそれぞれ,固有の名称が決まった。
第4回(4/28)24名出席
文情報演習室Cにて,各グループのディベートのテーマにそって,パソコンを使ってコンテンツをネットから収集し,他のソースの資料も併せて,MS-Wordで資料をまとめて,パワーポイント原案を作成する方法を示す。今後,パワーポイントファイルの交換をして積み上げてゆくことになる。
各グループのテーマをディベートができる段階までまずは絞った。次に各グループは他のグループのテーマを選択した(抽選)。賛成にまわるか反対に回るかは,テーマ設定をしたグループ以外が決めることになる。
君たちへ:
ディベートのテーマと,選択したグループを次に示す(一部,修正しています)。今回,時間切れでしたが,各グループは肯定側か否定側を選ぶ必要があります。自ら設定したテーマについては,他のグループに肯定側,否定側の選択の優先権があります。
テーマ
第1グループ(Empresses and Servants)ーー第3グループ
日本は今後も徴兵制度を導入すべきではない。
第2グループ(デイビッドソンDavidson)ーー第4グループ
日本の公立学校は完全週休二日制を廃止すべきた。
第3グループ(アンパンマン)ーー第1グループ
全頭検査を実施しないアメリカ産牛肉は輸入すべきでない。
第4グループ(いちごちゃん)ーー第5グループ
親の支配権が及ぶ範囲で子供には過度の芸を含むバラエティ番組を見せるべきではない。
第5グループ(YMXZ)ーー第6グループ
ヒトクローン技術によって一個体を作るべきではない。
第6グループ(ビューティコロシアム)ーー第2グループ
よりきれいになりたい人は美容整形をすべきである。
一例を示します。たとえば第2グループは, 「よりきれいになりたい人は美容整形をすべきである」の肯定側になるか,否定側になるかを決めてください。そして,木庭moto@ipcku.kansai-u.ac.jpにメールで来週の月曜日(5月1日)までに連絡してください。第2グループ提案の「日本の公立学校は完全週休二日制を廃止すべきた」については,第4グループの回答を待ってください。木庭が第2グループに連絡します。
なお,各グループ内でもメールアドレスをお互いに知らないことがありうるので,木庭に,所属グループ番号,氏名,メールアドレスの順で,メールを至急ください。
なお,授業で伝えましたように,各グループはメーリングリストを作成してください。以上
第5回(5月12日(金)) 24名出席
場所:文情報演習室C。内容は
1)KOALAの説明と検索の実習(30分)
2)MAGAZINEPLUSの説明(30分)
3)課題演習(30分)
なお、2週間前からインフォメーションシステムでお願いしていました、ディベートの肯定側と否定側の選択ですが、未だに第6班から連絡がありません。また、個々のメールアドレスの連絡者も限られています。嗚呼。
決定したテーマ選択を次に示します。(次週文に移動済み)
テーマ
第1グループ(Empresses and Servants)ーー第3グループは肯定側。
日本は今後も徴兵制度を導入すべきではない。
第2グループ(デイビッドソンDavidson)ーー第4グループは肯定側
日本の公立学校は完全週休二日制を廃止すべきた。
第3グループ(アンパンマン)ーー第1グループは肯定側
全頭検査を実施しないアメリカ産牛肉は輸入すべきでない。
第4グループ(いちごちゃん)ーー第5グループは否定側。
親の支配権が及ぶ範囲で子供には過度の芸を含むバラエティ番組を見せるべきではない。
第5グループ(YMXZ)ーー第6グループは肯定側
ヒトクローン技術によって一個体を作るべきではない。
第6グループ(ビューティコロシアム)ーー第2グループは肯定側
よりきれいになりたい人は美容整形をすべきである。
第6回 5/19 20名出席 D112にて
ぼくのサイトに掲載中で,かつ先週,改めて配布した「ディベート入門」を使って,説明した。
各グループにメーリングリストを作成することを改めて指示した。
ディベートは来週から始めるが,その順番をじゃんけんで決定した。
次回は,第1回目,第2回目を実行する。第6,2,4,5グループはがんばってほしい。
立論は,パワーポイントで実施することになる。
立論,第1反駁,第2反駁,について,複数のメンバーが分担して実施すること。配付資料の「(2)ディベート甲子園 高校生試合フォーマット」に発表時間などを記しているので,時間配分も十分に考慮する必要がある。
パワーポイントファイルはUSBメモリーに入れて,持参すること。
テーマとディベートの順番
第1回目: 第6グループ(ビューティコロシアム)ーー第2グループは肯定側
よりきれいになりたい人は美容整形をすべきである
第2回目: 第4グループ(いちごちゃん)ーー第5グループは否定側。
親の支配権が及ぶ範囲で子供には過度の芸を含むバラエティ番組を見せるべきではない。
第3回目: 第3グループ(アンパンマン)ーー第1グループは肯定側
全頭検査を実施しないアメリカ産牛肉は輸入すべきでない。
第4回目: 第2グループ(デイビッドソンDavidson)ーー第4グループは肯定側
日本の公立学校は完全週休二日制を廃止すべきた。
第5回目: 第5グループ(YMXZ)ーー第6グループは肯定側
ヒトクローン技術によって一個体を作るべきではない。
第6回目: 第1グループ(Empresses and Servants)ーー第3グループは肯定側。
日本は今後も徴兵制度を導入すべきではない。
第7回 5/26 24名 次のページを参照のこと
5/19の講義計画をよく読むこと。この日は,
第1回目: 第4グループ(いちごちゃん)ーー第5グループは否定側。
親の支配権が及ぶ範囲で子供には過度の芸を含むバラエティ番組を見せるべきではない。
を実施した。第2グループがパワーポイントを用意しなかったので,第2回目のテーマを実施した。
ぼくのパソコンと,プロジェクターをD112に持参するので,USBメモリーにパワーポイントファイルを持参すること。
なお,審判は第3グループであった。第5グループ否定側がより評価された。
第8回 6/2 23名 次のページを参照のこと
第2回目: 第6グループ(ビューティコロシアム)ーー第2グループは肯定側
よりきれいになりたい人は美容整形をすべきである
第1回目に比べて,よりよくなった。ただ,フローシートの使い方が十分でなかった。
なお,審判は第1グループであった。第2グループ肯定側がより評価された。
第9回 6/9 21名出席 次のページを参照のこと
第3回目: 第3グループ(アンパンマン)ーー第1グループは肯定側
全頭検査を実施しないアメリカ産牛肉は輸入すべきでない。
なお,審判は第5グループであった。第1グループ肯定側がより評価された。
第10回 6/16 文情報演習室C 16名出席 次のページを参照のこと
第4回目: 第2グループ(デイビッドソンDavidson)ーー第4グループは肯定側
日本の公立学校は完全週休二日制を廃止すべきだ。
なお,審判は第6グループである。
これまで,とくに遅刻について,不問に付してきた。出席についても,ぼく自身はそれほどこだわらなかった。ところが,今回,ディベートの担当グループ4の4名のうち,3名が連絡もなく,欠席した。進行も遅れたし,なんといっても,G4は1名でディベートせざるを得なかった。そういうこともあって,G4に軍配が上がった。審判も重要でG6で欠席したものも低く評価せざるを得ない。
第11回 6/23 19名出席 地理学製図室 次のページを参照のこと
第5回目: 第5グループ(YMXZ)ーー第6グループは肯定側
ヒトクローン技術によって一個体を作るべきではない。
なお,審判は第2グループである。
第12回 6/30 22名出席 地理学製図室 ジュースとお菓子で簡単な打ち上げ 次のページを参照のこと
第6回目: 第1グループ(Empresses and Servants)ーー第3グループは肯定側。
日本は今後も徴兵制度を導入すべきではない。
なお,審判は第4グループである。
7/7 は,地理学実習旅行の予備調査(与論島)のために休講にいたします。