2008年10月10日NZにて 掲載 11月8日修正
八幡書店のご協力で,来年の春ぐらいにむけて,木庭次守の生前の業績を市販する形で新たに同出版社としては二度目の出版ができることになった。このなかには,霊界物語資料編,霊界物語小辞典,大本三大学則・大本教旨をめぐって,などをまとめる予定である。まずは,大本三大学則・大本教旨をめぐって,が完成したので,前書き部分についてここに掲載する。一時的ではあるが,この原稿の添付ファイルをここにリンクする。docファイル
次に示す文章は,教学資料第三号(文責 教学研鑽所)として昭和五十一年に発行されたものである。霊界物語が口述されたように,執筆ではなく,談話として収録されている。とはいえ,その文体は談話と執筆の体裁が混在しており,一部混乱が見られる。脱落もある。本号には,木庭次守,大国美都雄,出口栄二の順番で掲載されている。今回の出版は木庭次守の編著だけを取り扱っているので,木庭次守に限定してここに再掲することになる。「三大学則について」は,昭和五十一年四月十三日談,「大本教旨」については,同年四月二十二日談のものである。 木庭元晴が父次守から手ずから得たものには父の修正が施されている。つまり,二三の脱落字の追加箇所が数カ所,さらに漢字の修正などが見られる。これらは活字を拾う時のミスである。この修正箇所は煩瑣になるため明示しない。注記する必要がないと考えた小さな修正(例えば明らかな漢字の誤りや文字のダブリなど)は横線のみとした。年代などのアラビア数字はすべて縦書きに合うように漢数字に置き換えた。先に示した文体の混乱部分で修正した方がいいと判断したところについては,修正後の文を横線付きで示し,その直後に文字のポイントを下げた( )内に変更前の文と変更内容を示している。( )内に補足している場合もある。 なお,もとの資料には三大学則と大本教旨そのものは示されていないが,読者のために,次に引用する。この文章は京都府亀岡市の大本本部,天恩郷に建立されている石碑に刻まれた出口王仁三郎自身の筆である。全体の文章の題目が「神人一致」で,次の「神は万物……………発揮す」までが,大本教旨,「学則」以下が,三大学則にあたる。この資料では,大国美都雄,出口栄二の両氏が,「神人一致」の順序に従っているにも係わらず,木庭次守は三大学則を先に,大本教旨を後に談じている。この理由は本文を読めば理解できるだろう。なお,教学資料のタイトルは木庭次守の順序に倣っている。
神 人 一 致(しんじんいっち)
(次の一行が大本教旨)
神は万物普遍の霊にして人は天地経綸の主体なり 霊体合一して茲に無限の神徳を発揮す
(以下,三大学則)
学 則
神の黙示は即吾俯仰観察(すなはちわがふぎょうかんさつ)する宇宙の霊力体(れいりょくたい)の三大を以てす
一、天地(てんち)の真象(しんしょう)を観察して真神(しんしん)の体(たい)を思考すべし
一、万有(ばんゆう)の運化(うんか)の亳差無(ごうさな)きを視(み)て真神の力(ちから)を思考すべし
一、活物(かつぶつ)の心性(しんせい)を覚悟して真神の霊魂(れいこん)を思考すべし
以上の活経典(かつけいてん)あり 真神の真神たる故由(ゆえん)を知る 何ぞ人為の書巻を学習するを要せむや 唯不変不易たる真鑑実理(しんかんじつり)あるのみ
右神諦文(みぎしんたいぶん)は出口王仁三郎 明治三十一年如月九日高熊山修行の砌(みぎり) 案出したる教義の一部分なり
昭和十年九月八日 王仁識之(これをしるす)
上の文章ではいくつかルビを振った。神人一致の石碑の前に父とよく行った。そして父の後について暗誦したものである。