newly at Dec.14,2014; revised at Nov. 28, '16
測量の基本だ。pacingは名詞なら,the length of a step in walking,動詞なら,to move with slow
or measured stepだ。自然にリラックスして歩いた結果のみが,実用に供することができる。君たちの歩測結果を見ると,1複歩が大きい。通常1.3mぐらいではないだろうか。
50m(巻き尺をまっすぐ地面に延ばす)を3往復する。つまり,6回分の計測値を得ることができる。次のデータは1991年4.19の西村環君のデータだ。下記を参考に自分のデータを整理しなさい。
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なかなか,この手の確認はしないのだが, 本年の実習で僕もやってみた。この日は寒くて早く済ましたかったのか,歩測の歩みが早くなってしまって,意外と大股で歩いていたことを発見した。層序を確かめつつ歩くときと,今回のような素で歩く時では,歩測幅が異なるようである。ゆっくり歩く時はぼくは1.6m,速く歩くときは1.9mのようだ。後者は,中国の1歩=6尺,にほぼ該当している。文献には無いが,ぼくは中国の歩bu,複歩に間違いは無いだろう。
方位磁石形コンパスの限界もここには現れている。学内のアスファルト上なので,地質というよりも,建物の鉄筋などが地場に大きな影響を与えているようである。一カ所で90º回転した場合には,差の誤差は数度だが,数十メートル離れると,90ºをなす方位の間で20ºほども変わってしまう。
次の図は,フィールドノートのコピーに,計算過程も示している。
次の図は,GoogleMapから得たこの簡易測量域である。このマップを優占して,歩測した際の,1複歩あたりの距離を示している。上の簡易測量に基づく地図の作成は,ほぼ意味が無いので,止めることにした。方位測定結果ではなく,建物の壁面が直交することを利用すれば,一応のマップは作成できるが。この付近の磁北の偏角は国土地理院のサイトを使うと,6º56' ≒ 7ºWで,上図の方位から,N?ºWの場合は,7ºを差し引き,N?ºEの場合は,7º加えるという作業を実施している。
上図を見ると,建物方向と計測された方位の間に大きな齟齬がある。第T学舎4号館(D棟)の南東部(フィールドノートのB点)付近で計測した東辺と南辺の方位角の差は,90ºであるべきだが,上の図にあるように,東辺方位は,N21ºE +7º = N28ºE, 南辺方位は,N80ºW - 7 = N73ºWで,差は,73+28 = 101ºとなっている。まあ,コンパスの精度というのはこの程度なのですなあ。
以 上