2004年6月26日
この問題の内容の一部は高校地理の範囲を超えています。ただ,語群と照らし合わせて文章を理解しつつ読めば満点が可能と考えています。このような形のものを入試問題にすることで,受験生や高校生の皆さんに,地理学に感心を持っていただき,地理学をより深く理解していただきたいと出題者は考えています。
先に,本文ではなく,問(A)と問(B)の内容を読む。問(A)の語群を見渡す。そのあと,図を見ながら本文を読んで解いてゆく。地名は【 】を使っているので,解きやすいだろう。
最初の段落は,海に浮かぶ「弧状」の列島に問題作成者が注目している。( 1 )列島の( 1 )に入る言葉として,「帯状」か「弧状」しかない。図に弧状の列島が示されているのだから,(
1 )には,(サ)弧状,が入る。つぎに,太平洋北縁の弧状列島を【 2 】列島というのだから,(キ)アリューシャンしかない。つぎに,【 3 】だが,ニュージーランドより南の地名を語群から探すと,(エ)南極,しかない。この正答率は極めて低かった。高校地理教育で南極と北極をとばしてしまう傾向がある。地図帳の太平洋の表記では極地方が横に間延びしていることも影響しているだろう。南極大陸には海抜3000〜4000mを示す中生代以降の新期造山帯が分布している。
第二段落では,図の凡例3種を問うている。火山,( 4 ),( 5 )だ。火山列が( 4 )と並行しているというのだから,図の通り。選択肢を見ても,(ウ)海溝,しかない。(
5 )は次の段落でわかる。
第三段落では,図中の( 5 )の説明だ。選択肢でみれば,(ケ)中央海嶺,しかない。【 6 】はアフリカの湖の地名だ。(シ)タンガニーカ,しかない。
第四段落では,ホットスポットをテーマにしている。【 7 】にマウナロア山がある。(オ)ハワイ,だ。
問(B)はプレートテクトニクス論から見た火山の分類だ。@環太平洋火山帯は,(ソ)沈み込むプレート境界近接域,A中央海嶺は,(タ)プレート拡大軸,Bホットスポットは,(セ)プレート内だ。
地理の基礎的知識と基礎的国語力で十分に解ける内容だ。( 5 )は中央海嶺であるが,海溝と誤答したものも多かった。問題文に,( 5)の山頂部には玄武岩からなる割れ目火山が分布する,陸上に顔を出している場所,などの記述がある。これが海溝か? アフリカ大地溝帯,に引きずられたのかもしれないが,余りにお粗末。出題者の予想どおり正答率は極めて高かった。
以 上