沖永良部島の海岸地形に関して,2019年春の日本地理学会で発表する。予稿原稿を書いている過程で,従来の海岸地形学の常識を超えるであろう大きな発見をした(はずである)。潮汐と海岸地形の関係を確認すべく,タイムラプス撮影をしたいと考えた。それに対応するカメラをネットで物色した。ぼくが必要なのは低潮時から潮位が上昇し始めてから満潮時までのほぼ6時間の記録である。卒論のための調査の際にも,潮位の上昇につれて,刻々と海岸の地形が波に洗われてゆく様子を記録したいと夢見た。まあ,ずっと6時間程度,海岸に居座って,5分程度の間隔で写真を撮ってゆけばいいのであろうが,フィルム写真の時代にそんなことは考えられなかった。そういうひたむきさも欠如していた。
防犯カメラで数万円以内の日本製でなかなかいいのがあったが,HDはAC電源が必要でフィールドでは使えない。コンパクトカメラでは,Fuji FinePix XP130が気に入ったが,使えるかどうか,わからない。常識的には無理だろうと思った。ネット上ではこのようなコンパクトカメラでも一眼レフでもそういう記述はなかった(見つけなかった?)。一般には中国製とかのもので,口コミでは評判があまり良くなかった。で,昨日,ヨドバシカメラ梅田店で情報収集をするなどして,さきほどネットで購入。この経緯なども紹介しつつ,実際にどのように撮影にたどり着いたのかをここに記録する。少なくとも日本語では,ネット上には掲載されていない内容である。
昨日,ヨドバシカメラ梅田店で販売スタッフおじさんに声をかけ,FinePix XP130について相談。他のより詳しいおじさんも来てくださって,マニュアルをにらみつつ本体を操作。結論は,タイムラプスは無理。GoProならイケるかもとのこと。何故か,しらけムード。
GoProのコーナーへ。いわば鉄ちゃん的雰囲気。GoPro関係の部品などが揃う。若いスタッフが親切に対応してくれた。 無茶かっこええ。ちっちゃーい,かるーいい。ウェラブル。ただ,到底6時間は無理とのこと。モバイルバッテリーを接続して充電のままにしても,50℃になると自動的にシャットダウンするという。本体がちっちゃくて充電による熱で持たないという。本社はアメリカだけど日本支社に電話してくれた。保証しないけど,やってみないとわからない。SDカード容量とモバイルバッテリーの容量が十分であれば可能かもしれない?とのことであった。種々の部品などのカタログをもらって結局,ヨドバシカメラに落としてきた。6万円あまりで一応揃いそうではあった。GoProはモバイルバッテリーに残量があっても早めに落ちるらしい。全容量にも出力にも余裕が欲しいとのことであった。いい勉強になった。
ヨドバシのおじさんのご意見でダメだとのことであったが,昨晩,FinePixのサポートにメール。昼前に次のような返事があった。
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FinePixXP130のインターバルタイマー撮影機能ですが、設定できる項目としては「撮影間隔」「撮影継続時間」があり、それぞれ以下の値を選択いただくようになります。
【撮影間隔】
10分、5分、60秒、30秒、15秒、10秒、5秒、3秒
【撮影継続時間】
5分、10分、30分、60分、2時間、3時間、6時間
なお、カメラのバッテリーのみでの連続駆動は、1回の満充電で2時間ほど
となりますので、長時間の撮影の場合には、付属ACパワーアダプターを
接続しての撮影が必要となります。
※最短間隔で、最長継続時間で撮影をするためには、SDカードの
容量が64GBほど必要です。
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このメールに対して,当方の質問は次のよう。
充電器を接続して,充電状態にしておきたいと思っています。1回の充電で最大2時間ということですが,iPhoneなどのバッテリー充電器を使うことは可能でしょうか。使える場合,どの程度の出力と容量が必要でしょうか。タイムラプス撮影した後,ムービーで出力が可能でしょうか。
ご連絡いただいた情報ですと,60秒ごとに撮影して,6時間すると,6x60=360コマになりますね。この程度のコマ数でも,バッテリーは2時間しかもたないのでしょうか。携帯電話の充電器はusbですが,このfinepix130の充電口はAC電源からのものだと思いますが,usbの形での充電は可能でしょうか。
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回答は次のよう。
外部バッテリーによる駆動は動作未確認、ならびに動作保証外とさせていただいており、コンセントから付属ACアダプターでの
給電、パソコンとのUSB接続による給電のみの保証となりますこと、ご了承のほどお願いいたします。
また、FinePixXP130によるタイムラプス撮影ですが、撮影開始段階で動画作成を選択いただくことにより、静止画と動画の保存が行われる仕様です。
※後からの作成機能は製品にございません。
最後に、カメラの駆動時間ですが、デジタルカメラは駆動し続けることでバッテリーを消費しますので、撮影枚数に限らず、連続駆動の仕様として二時間ほどとなっております。
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結局,やれるかもしれないということで,まずは購入することに。
https://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/xp/finepix_xp130/
の情報を次にまとめる。
FinePix XP SeriesFinePix XP130のうたい文句:
一緒に遊べるアクティブカメラ
フジノン広角28mm(*1)×光学5倍ズームレンズ
裏面照射型CMOSセンサー
シネマグラフモード
インターバル撮影 & タイムラプス動画
大型3インチ92万画素液晶モニター
New ワイヤレスコミュニケーション
FFX-XP130Y(イエロー)を選択。
付属品:
充電式バッテリーNP-45S(リチウムイオンタイプ)
ACパワーアダプター AC-5VG
プラグアダプター
ストラップ
専用USBケーブル
使用説明書・保証書一式
Mac OS X 10.11 ◎ OS標準ドライバで対応します。
FinePix Viewerというアプリは,Windows10に対応。
SDHCメモリーカード 8GBに対する可能枚数や撮影時間:
HD動画 1280x720 81分
1920 × 1080(16:9)で10020枚
静止画4608 × 3456(4:3)
JPEG fine 940枚 JPEGNormal 1860枚
FinePix XP130 バッテリー寿命(撮影可能枚数の目安):
充電式バッテリーNP-45S(付属) 約240枚(省電力モード時)
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追加アクセサリー:
SDXCメモリーカード 64GB〜128GB ○ ※1 ※2
※1 UHS-I対応4GB〜128GB(FUJIFILM製は8GB〜64GB)
※2 HD動画、ハイスピード動画を撮影する時は、SDスピードクラス10以上のメモリーカードをご使用ください。
USBケーブル カメラ側端子:USB2.0 マイクロB ※1
*データ転送可能なもの
HDMIケーブル カメラ側端子:Type D (HDMI マイクロ)※1
*長さ1.5m以内
※1 端子形状の詳細はデジタルカメラQ&Aをご覧ください。
デジタルカメラ Q&A「USBケーブルの紹介」
http://digitalcamera.support.fujifilm.jp/app/answers/detail/a_id/19469?_ga=2.196727276.1911266172.1548146256-1674608217.1548146256
デジタルカメラ Q&A「HDMIケーブルの紹介」
http://digitalcamera.support.fujifilm.jp/app/answers/detail/a_id/19468?_ga=2.201382353.1911266172.1548146256-1674608217.1548146256
FinePix XP130のファームウエア(カメラ内部のソフトウエア)の更新
https://fujifilm.jp/support/digitalcamera/download/finepix/xp130firmware/download001.html
FinePix XP130のファームウエア(カメラ内部のソフトウエア)の更新
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マニュアルのタイムラプス撮影について(セルフタイマー撮影>インターバル撮影(タイムラプス動画))
pp 52-54.
マニュアルは以上。
ヨドバシカメラ梅田店でお世話になったので,ここから購入したかった。だけどECカレントと大差があった。次のリストはすべてECカレントのものである。
・FinePix XP130イエロー 本体:¥18,080
・SDAR40N64G SDAR40N SDXCカード 64GB CLASS10東芝 ¥2,579(税込)
・BSMPB13410P2WH(ホワイト) スマートフォン タブレット用 モバイルバッテリー 13400mAh
バッファロー(BUFFALO) ¥5,724(税込)
「AUTO POWER SELECT機能」でiPhone/Androidを自動で急速充電
2台同時給電4.8A出力対応 電源切り忘れによる無駄な電力消費を防ぐオートパワーオフ機能
機内へ持ち込みOKの安心、安全設計 持ち運びに便利なキャリングポーチ付き
今後の実験によって,修正追加してゆく。
1. 定点カメラ一式の内容について
大型三脚,ミニ三脚
2. 他の持参品
ビニール紐,
3.現地調達について
布ガムテープ,
1. Jan. 25,2019夜帰ると到着していた。早速開封してカメラを,22:15から充電開始した。LEDランプが点灯し,24:00の少し前には消灯していた。Buffaloのスマートフォン タブレット用 モバイルバッテリーは,23:50から,(AC電源につないでいる)mac book proにつないで充電開始。4個のLEDランプのうち3個はすぐに点灯し,残り一つだけが点滅開始した。24:17には全4個が点灯済み。早くていい感じ。
次の写真はXPの充電のようす。ACアダプターが空気のように軽い
バッテリーの充電完了。LEDランプ4個が全灯。
2. メモリーカード東芝SDXC UHS-Iカード 64GBをカメラにセットしたが,初期化を忘れてタイムラプス撮影を開始してしまった。どうなるのかわからない。初期化についてはp.104に記述されているがそれを読むと特に初期化の自主的操作については書かれていない。もちろん,電源OFFの状態でメモリーカードを入れたのだが,電源ONの際に初期化されているのを見過ごしたのであろう。
3. p. 25には,カメラの電源がONのときは充電できません,とある。ということは,もちろん,モバイルバッテリーも,外部電源なので,充電できないということになる。このXPは水中カメラにもなるので,外側にはusb端子は出ていない。ということで,モバイルバッテリーは撮影の継続には使えないということになる。
XP用のバッテリーをもう一つ購入して,撮影中にバッテリー交換するしかない。その際には,タイムラプス撮影は中断されるので,ムービーの連続性は,マックのアプリで対応するしかない。
p. 25には,「AC電源に接続したままでカメラをオンにすると,外部電源モードで動作します」とある。接続したままでカメラが使えるのですね。 usbケーブルが出てますので,カメラの蓋を閉めることができない。そういう環境でもカメラが使えるのであれば,モバイルバッテリーをつないで,蓋を開けたままで撮影が可能かもしれない。
4. 最初に電源オンにすると,wifi機器とのペアリングが可能となる。富士フィルムが用意している iPhoneアプリをダウンロードすることになる。カメラの方は,XP130-58W100215,iPhoneの方はiPhone-4102と表示されている。XPとiPhoneの両方の液晶画面を見て操作する必要がある。
pp. 51-54に示されている。iPhoneのアプリFUJIFILM Cam Remoteでは,インターバル撮影の指示はできなかった。
1. セルフタイマーボタンを押して,インターバル撮影を選ぶ。
2. MENU/OKボタンを押して,設定画面を表示する。
3.
撮影間隔を60秒,撮影継続時間を6時間とする。
4.
MENU/OKボタンを押して,次の設定画面を表示する。
5. 記録方式として,静止画+タイムラプス動画,を選ぶ。
6.
MENU/OKボタンを押す。設定のみ
7. シャッターボタンを全押しして撮影開始。
Jan. 26, 2019の午後3時34分から開始した。毎分,撮影される。午後5時半すぎになると外が暗くなって,毎分,ストロボが光るようになった。かなりバッテリーを食うことに。午後6時56分頃に自動停止。3時間22分。電池切れの結果であったが,しっかりとmovファイルができていた。インターバル撮影jpegファイル204枚。3.8MB/枚程度の画像。ストロボは自動にしていたためなのか,この設定が効かないのかはわからないが,星空の撮影が可能ならばストロボ撮影を切ることで夜空が可能かもしれない。この実験のあと,一度やってみたいものだ。この試行で作成された,タイムラプス動画をここにリンク。
macにファイル転送。カメラの充電の際と同じケーブルで同じusb端子(Micro-B)に差して,通常のusbプラグをmacに差して,転送。Dropboxのカメラアップロードフォルダーにインターバル撮影した画像ファイルと,それらの最後にmovファイルが入る。macの写真アプリにも同じものが入るが,動画はmp4で,画像よりも前に配置される。基本的に画像は全部削除する。
macへのファイル転送を次にまとめる。
1. 充電用ケーブルを使って,カメラとmacを接続する。セルフタイマー用のオレンジランプが点灯する。
2.
カメラの電源ON。液晶モニターに,USB接続,という文字が現れる。
3. 写真アプリの最上縁の,取り込み後,カメラのファイル削除を選ぶ。
4. DropBoxでも同時に取り込まれる。
ちょっと充電して,ストロボOFF設定して,レンズを夜空に向けて5秒間隔で,10分間の撮影を実行。Jan. 26, 21:07スタート。その結果,ストロボOFF設定はしっかりと効いて,夜空が撮影されていた。ズームインなどはしていない。できた動画のmp4の方をここにリンク。右手のタイル壁のすぐ上の星は早く移動している。人工衛星であろう。
動画にするとコマの時刻がわかりにくい。その弱点を補うためには,インターバル写真を残すということも考えられるが,占有容量が大きい。当方の目的からすると,写真に日付と時刻が刻印されている方がいい。 p. 113での日付書き込みに従って設定し,タイムラプス動画に反映されるか確認した。写真には刻印されるが,残念ながら動画には日付と時刻は表示されない。
ストロボを切ってタイムラプス撮影をセットした結果を示す。14:19 start, 18:29 end。計4h10m。計279枚。6時間には満たない。
モバイルバッテリーをつないで,タイムラプス撮影が可能かどうか,確認した。13:20 - 19:20 6hoursで, ファイル数362で,問題なかった。このモバイルバッテリーでカメラにフル充電して,そのあと,この実験を実施した。さらに10秒,6時間,を開始しようとしたが,電池残量がない,赤い電池アイコンが表示された。
充電開始したら,LED4ランプのうち,3個が点灯,1個が点滅。
前回同様, モバイルバッテリーで撮影開始しようとしたが, USB接続,というメッセージがずっと流れていて,撮影開始ができない。前回は,モバイルバッテリーでカメラに充電した上で,続けて撮影を開始した思いがあったので,待った。しかし,2時間ほど経過しても,USB接続,のメッセージが出ている。
ちなみに,カメラのバッテリーを外すと,撮影可能になった。どうも外部バッテリーをカメラの電池として使うためには,カメラのバッテリーは外す必要があるらしい。前回の際には,カメラのバッテリーが外れていることに気づかなかったようである。
3:27,Jan. 30にスタート。9:27に終了している。ファイル数2162(動画1を含む)。作成された動画の再生時間は37秒。1920x1080=60.3MB 59.92 fps。2161/37=58.4≒59.92。
モバイルバッテリーの残量を見るべくボタンを押すと, LED4個のうち,3個は点灯する。ここに作成された動画をリンクする。
一応,これで実験は完了した。モバイルバッテリーを使う場合は,10秒単位で6時間の撮影が可能である。実際の調査の際には,静止画も重要で,これには撮影日時が出ているので,潮位との関係を見ることができる。潮風が強い時は,カメラの蓋を開けない方がいいので,予備のバッテリーを用意するかどうかだ。
結局,本日Jan. 30,アマゾンにて注文。初めての経験だが,なぜか,ダブって注文して,最初の高い方をキャンセルした。いずれもアマゾンの中なのに。2935円とかなりお得。
新たに届いたバッテリーの信頼性を確認するために,録画実験を実施。充電には3時間ほどかかったか? 10秒間隔でのインターバル撮影とタイプラプス動画作成(6時間設定)を実施。21:49スタート,0:37終了。2h48mの継続時間だった。3時間は持たない計算だ。作成ファイル数は動画入れて1008。画像は4608x3456pxls=4.2〜4.3MB。動画時間の再生時間は17秒で鑑賞するうえで,やはり1分インターバル撮影よりも実在感がある。
実際の現場で,潮風が強い場合は,一応,バッテリー交換を2回して,足りない部分を,モバイルバッテリーで追加するというのがいいだろう。潮風に問題なければ,モバイルバッテリーのみで6時間もいいかも。
動画の最大継続時間は640x480pixelsで2時間。1920x1080pixelsで30分間とあるが20分間だった。日時記録もできず,当方の目的に合わず,使えない。
以 上