自然地理学またはデータ解析に関わる科目の役割 2002.12.28作成

自然地理学またはデータ解析に関わる科目の役割
関連科目:
地理学調査研究法 2回生,通年2コマ,
自然地理学概説 2回生,通年1コマ,
地図学・製図 2回生,通年1コマ,
地理学実習 3回生,通年2コマ

 地理学専修生が地理学徒たるフィールドワークの機会としては,唯一,地理学実習が提供されている。この経験が卒論に生かされるのは確かであり,その意味で,地理学実習で稚拙なフィールドワークを体験すると,それはそのまま卒論に引き継がれる。地理学実習では実質4月から実習旅行の準備に入る。それゆえ2回生配当の授業で調査・研究法を知る必要がある。
 2回生配当の自然地理学またはデータ解析に関わって,上記の3授業がある。地理学調査研究法については,自然地理学系は後期に実施する。このためには,前期に低地の地形学を学ぶことが望ましい。それゆえ,自然地理学概説(高橋達郎先生担当)では前期にこの低地の地形学を教示していただく。
 地図学・製図ではGISを教えて頂く(松田順一郎氏)。この分野は自然に関わらず人文現象も同レベルで生かされることを望む。ソフトはフリーウェアでかつ高度な達成度が可能でMacOSXでもWindowsでも利用可能なGRASS(Linux)をご指導願う。その指導方針も,大阪府の具体的な地域を選んでいただいて,矩形座標の設定から始まって,既存データベースの利用,自然・人文現象の簡単な分布図の作成までを到達目標とする。ただし,学生の達成能力が越えるようであれば教育環境を害する可能性があるので来年度については試行錯誤の年となろう。
 なお,主題図については,多少自然地理学概説と人文地理学概説の内容とも連動するので,概説担当教員との連携が必要である。
 地理学調査研究法(以下,該当分野をAとする)・地理学実習(以下,該当分野をBとする)の後期2コマの内容を以下に示す。
 航空写真判読
A 裸眼立体視,立体写真の撮影,低地地形判読,植生判読
B 米軍と国土地理院の航空写真の差分を求める実習(GIS-GRASS)
B 自然地理学実験
放射性炭素年代測定(グループ指導)
A 地図データベースの利用
国土地理院の種々の電子地図
これは地図学・製図で前期に紹介する方がいいかも知れない。
A アンケート調査法
このうち,データ整理法と多重クロス集計処理法
A 基礎統計学
ヒストグラム,正規性の検定,散布図,相関係数,回帰直線などの
パラメトリック統計
B 多変量解析
因子分析・数量化三類
A 報告書作成術
MS-Wordを使ってアウトラインプロセッサーの技術の習得,図表挿入など
情報処理演習との関係も考慮。
以 上