地理学実習2003年度 授業進行 2004.1.24修正

 最後の時間にこれまで提出したレポートをまとめて提出すること。
 周辺の事情(蛇足)と授業内容: 君たちは,すでに地理学調査研究法,地理学基礎演習などで地理学に調査する上での基礎知識をかなり修得したと私は考えている。ただそれは基礎知識である。実際に調査をしてみて何が必要か自分は何に興味があるのかも見えてくる。またすでに学んだとされることも役立てる力を持っていなかったということも実感するであろう。それなりの調査はしてしまって,それで済んで,そのまま場合によっては研究者になってしまった,ってなこともありうるのであるが。
 これまで私は地理学実習通年2コマのうち半期を担当していたが2003年度からはいわば通年2コマのうち1/4期を担当することになった(他は伊東先生,野間先生)。ちなみに,これに代わって地理学調査研究法を通年2コマを2002年度担当したが,2003年度からはこの研究法は後期2コマを担当する。
 この経過のゆえに,君たちに関していえば,従来の地理学実習で実施したものより多くのことを2002年度に調査研究法で実施できた。一方,松田順一郎先生担当の地図学・製図ではGISアプリケーションとしてTNTが使われた。2003年度はGRASSが実施される予定でよりGISの力を修得することが可能となろう。2004年度からはGRASSの基礎を修得したことを前提に,地理学実習旅行での調査結果の入力・分析を進める形を考えている。君たちはGRASSを知らないのでこの指導方針を実施できず,過渡的な分析法を指導したいと考えている。授業内容は実習報告書を作成する上での技術を指導することが中心となろう。

 因子分析・数量化三類(フリーウェアのExcelアドインソフトを使用)
 MS-Wordを使ってアウトラインプロセッサーの技術の習得,図表挿入など。サムネイルを使ってリンク
 イラストレータを使って既存地図類とベクトルデータの作成法
 放射線炭素年代測定法(グループ指導)
 複数の航空写真や地図などのラスターデータの差分抽出,幾何補正。


 春の一泊巡検,秋の実習旅行では,自然地理学および自然環境学のテーマを木庭が呈示する。希望者はそのテーマに沿った研究(シミュレーション)を実施することになる。これに関して正規の授業時間はないが,ボランタリーに対応してゆきたい。
君たちの義務: 毎回の授業内容を具体的に記述して毎回レポート提出。宿題(調査、資料収集)を課す場合がある。出席を重視するが、レポートの内容で評価する。
 なお,毎回このページを参照して,利用教室や授業内容を確認してください。基本的には,文・情報演習室Aに行ってください。
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目次(具体的内容は状況に対応)


第1回 10/28
第2回 11/11
第3回 12/2
第4回 12/9
第5回 12/25(木)2,3限
第6回 1/13
第7回 1/16(金)3,4限(補講)変更しました


第1回 10/28

 まずは文情報演習室A。かならずMO230MBを持参すること。
「解析手法とデータ」,とくにリサーチニーズの変遷から始める。1950年代は統計を取るための調査(fact),1960-70年代は説明のための調査(explanation),1980-1990年代は今後の方向を発見するための調査(orientation)に変化。地理学のアンケート調査などはorientationの調査をしない。静的な調査をしていては社会で存立し得ない。構造を示す散布図を作成する必要性,外部データと内部データの利用が必須。
 粒度分析法の篩,沈降法,電子天秤,分析の方法を説明。
 正規分布曲線,4つのパラメータの説明。

第2回 11/11

 大堂原貝塚の地形と層序と文明層準を説明。海水準変動とサンゴ礁形成と環境変化を連動させて説明。
後に記述する。

第3回 12/2 (12/2記)

 地理学実習室で授業した。
1. 主成分分析法を説明。利用資料はEXCELによる調査分析入門pp.35-37など。商品開発スタッフの議論とアンケートを主とするが,この本には示されていないが訴求ポイントの引き出し・選定の問題点,分析結果の解釈の多様性・問題点などを指摘した。
2. 木庭の沖縄島での大堂原の研究例を材料として,自然地理学的研究方法とその有効性をパソコンによってプレゼンを実施した。
3. バリ島での木庭の海岸環境調査の研究(礁原上の砂州)を例に,海岸工学的手法を越える空中写真判読法の有効性を述べた。
4. 空中写真測量の基礎実習を行った。沖縄島中部の1/40000の空中写真を使って撮影高度をまず求めて,縮尺を得る実習を行った。本日のレポート課題となった。なお,この方法の順序を次に述べておく。
4-1. 配布された地形図と空中写真の重なる範囲を確認する。4-2. 使用する空中写真の比較的中央部で離れた2点を想定する。4-3 その2点に近いところで地形図と航空写真の対照が可能で,高度が一致する2点を決定する。要するに地形図の等高線から地形図上の同一高度の地点を探す。4-4. その航空写真上の2点を航空写真の実体視をして決定する。4-5.地形図(A,B)と空中写真(a,b)のそれぞれの2点間の線分を引き,距離を測る。4-6.そして,線分ABの距離にその地形図の縮尺の逆数を掛ける。それがreal worldの距離(線分<AB>とする)になる。4-7. 線分ab/線分<AB>が航空写真の2点が位置する高度面の縮尺となる。4-8. ab/線分<AB>=焦点距離/撮影高度の式を使って撮影高度を求めることができる。ただしこの撮影高度は2地点の高度面からの飛行高度を意味する。なお,この空中写真を撮影したカメラの焦点距離は本日仮に述べたものではなく,152.85cmである。

第4回 12/9

 数量化理論3類の考え方,エクセルのマクロ言語VisualBasicの初歩的導入を実施。バグを修正して実行。次回につなぐ。空中写真判読法の導入を実施。空中写真の縮尺の計算,視差測定竿の使い方の導入を実施。

第5回 12/25 (木) 2,3限

 SurfaceIIIを使って,測量データの3D表示の導入。要追加。

第6回1/13

 要追加。

第7回1/16 (金) 3,4限 補講日

 マック用ソフトSurfaceIIIを使って,測量データの3D表示が使えるまで。つぎに,既存データを使って数量化3類の解析結果の解釈法を学んだ。その後,数量化3類のデータを出席者のデータを使って学生が作成し,分析し,その結果を解析した。

実施できなかったこと:MS-Wordを使ってアウトラインプロセッサーの技術の習得,図表挿入など。サムネイルを使ってリンク。空中写真を判読して地図にその結果を落とす練習。 主成分分析。

 

以 上