『生きている太平洋』(汎太平洋フォーラム編)は,神戸新聞出版センターから「のじぎく文庫」の一冊として,昭和62年(1987年)4月30日に刊行された。発刊後すぐに,日本図書館協会および学校図書館協会選定図書になった(画像)。この年は,チャールズ=ダーウィンが乗ったビーグル号がほぼ五年の航海から本国イギリスに帰港して150年になって,それを記念して出版された。中学生が十分に理解できるものという出版社からの要請があった。 この中でダーウィンに直接関係したものは,木庭のものと,松木 哲氏の「ビーグル号航海の真相」 である。この本を改めて手にとると,我ながら,ダーウィンのサンゴ礁形成説の優れた解説書になっていることに,驚きをも禁じ得ない(笑)。文体は柔らかいが,研究者でも理解できるかなあと想ったり。まあ,研究史としても優れているし,今後の研究テーマをも示唆している。
 この本も再販はされたが,先の『日本の水と緑』同様,早くに在庫なしとなり,近々,出版されるという予定もない。とはいえ,ネットに乗せるわけにもゆかず,松木さんと木庭の部分の目次だけ以下に掲載する。ただ,今後,何らかの形で再々版を願うものである。学校や地域の図書館には入っている。
                             11/3,2002


ビーグル号航海の真相 by 松木 哲 pp.109-138


 ダーウィンはどうしてビーグル号に乗ったのか ビーグル号は何を調査しに行ったのか ビーグル号の航海 ビーグル号での生活


ダーウィンとサンゴ礁 by 木庭元晴 pp.139-176

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最終ページp.176, l.3の「礁湖」は,「証拠」とすべきところの誤りです。Acrobatで読むと注記を見ることができます。


 ダーウィンという人 ダーウィンとライエル 南アメリカでの地質調査 サンゴ礁への関心 環礁 火口基底説 火口基底説の否定 ダーウィンの環礁形成説 ー 沈降説 ダーウィンの環礁形成説 ー 裾礁・堡礁・環礁 ダーウィンのサンゴ礁形成説の特徴 タヒチとキーリング環礁 ダーウィン説に対する批判 環礁のボーリング おわりに
                                   以 上