全国整備されたフリー10mメッシュのダウンロード,そしてカシミール用とGRASS用の変換 Nov.28, 09

1. 全国整備されたフリー10mメッシュNov.28, 09
2. フリー10mメッシュのダウンロードNov.28, 09
3. カシミール用に変換Nov.28, 09
4. 基盤地図情報DEMコンバータ Ver.1.4(素晴らしいソフトです)Dec. 5, 09, Rev. Mar. 28, "11

5. 必要矩形領域のファイル名検索: メッシュコードの仕組み Nov. 8, 10

1. 全国整備されたフリー10mメッシュ

高密度な数値標高モデル(DEM)である10mメッシュ(標高)の全国整備が完了した。
 (発表日時:平成20年1月30日(金)14時00分 国土地理院 http://www.gsi.go.jp/kibanchizu/kibanchizu60004.html)
 これまで数値標高モデル50mメッシュ(標高)が提供されていたが終了した。
 また、都市計画区域については、より高精度な5mメッシュ(標高)を整備されてきたが追加され,フリーでも公開されるようになった。 

国土地理院の記述から:

 「これらのデータはJPGIS(地理情報標準プロファイル)規格となっており、当センターではユーザの利便性を図るために、基盤地図情報をGISソフトウェアやカシミール3Dで読み込めるファイル形式に変換する「基盤地図情報(数値標高モデル)変換サービス」を開始しました。変換サービスの対象データ及び範囲については、下記の表をご覧ください。」

変換サービスの対象データ(データ名 内容 整備範囲,*インターネットによる提供のみ):
1.5mメッシュ(標高) 航空レーザスキャナ測量によって取得した標高データ 都市域
2.5mメッシュ(数値地形)* 写真測量によって取得した標高データ 都市域
3.10mメッシュ(火山標高) 火山基本図の等高線を基にして作成した標高データ 24火山
4.10mメッシュ(標高)* 2万5千分1地形図の等高線データ等を基にして作成した標高データ 日本全国
5.250mメッシュ(標高) 衛星デ−タより等高線(50m間隔) を発生させて作成した標高データ 北方領土のみ

5mメッシュ(標高)、10mメッシュ(火山標高)、250mメッシュ(標高)はCD-ROMでも提供されています

変換ファイル形式: GeoTIFF形式,バイナリ形式,カシミール3D形式

 なお,カシミール3D形式への変換については,このページで後述する。

2. フリー10mメッシュのダウンロード

2.1基盤地図情報ダウンロードサービス http://fgd.gsi.go.jp/download/
 このページ上部の「ダウンロードファイル形式選択」で,

「JPGIS 2.0 (GML) 形式 (←ここをクリック)」
  をクリックする。


2.1 ページが更新されて,「ダウンロード項目指定」のページが出る。その最下部の

 基盤地図情報(数値標高モデル)
   5mメッシュ(標高)
  10mメッシュ(標高)


  から10mメッシュを選ぶ(ぼくは,5mメッシュの阪神地域のものは以前に購入済)。

2.2 2次メッシュ選択

 http://fgd.gsi.go.jp/download/GsiDLSelItemServlet

 で,5mまたは10mメッシュなどを選ぶと,都道府県選択が表示される。都道府県範囲レベルを取得したい場合は,この方法が便利である。
 「地図から選択(5m)または(10m)」を選ぶ場合,地図が表示される。そして,「+」で拡大表示してゆくと,2万5千分の1地形図幅単位の枠が表示される。「メッシュ選択」(選択したものを解除する場合はもう一度クリック)をクリックして,必要な図幅上でクリック。連続的にクリックすることで複数の地図を選ぶことができる。 最大は20図幅。
  例えば大阪府を選んだ場合,京都府域の図幅枠が表示されないが,窓の上下左右についている矢印をクリックして,表示範囲を移動すれば,表示窓に新規に図幅枠が表示されてゆく。
 この図幅毎にダウンロードするのは速度も遅いので,かなりの枚数が必要な場合は,「地図から選択(5m)または(10m)」で地図番号を記録(メッシュ番号は系統的)して,県別にダウンロードしたファイル群から取捨選択するのがいい。

 ボクのさし当たりの目的は,地勢図「京都及び大阪」全域,「和歌山」全域をダウンロードすることであった。

2.3 ダウンロード

 図幅指定ののちに,ダウンロードを選ぶのだが,次ページで一つ一つ実施することになる。

 SELECT-DATA.txtにダウンロードした図幅情報が掲載されている。メタデータの方は全DEM共通の情報である。このテキストファイルはダウンロードしておいた方がいい。ダウンロードファイルと同じフォルダーに入れて保管する。というのは,必要範囲をダウンロードしたつもりでも重なったりし損なったりしてしまう。ぼくは慎重にしているつもりでもぽかをよくやる。

  ダウンロードを終了後,新規にダウンロードするには,表のすぐ上の「戻る」,終わる場合は,「終了」である。

 ダウンロードした個々のファイルは,Windowsの場合,zipファイルになるようであるが,マックでは自動的にxmlファイルに解凍される。

3. カシミール用に変換

3.1 カシミールの起動の前に

 ダウンロードしたDEMファイルを一つのフォルダにまとめる必要がある。ぼくの場合はMac-Win共有フォルダ内の「基盤地図京都及大阪と和歌山」に入れている。SELECT-DATA.txtなどのメタファイルを入れていても問題無いかも知れないがぼくは外している。DEMファイル名であるが,FG-GML-5135-00-dem10b-20090201.xmlなどである。同じ地勢図内であれば,このファイル名の,00に代わって,01, 02,....となる。
 日本全国 数値地図図幅名 一覧 http://www.opengis.co.jp/img/faq/Topo25000/region_name_list.htm にメッシュコードと地勢図との関係が整理されているので参考になる(TNTというGISソフトの会社の資料)。
 さらに,変換後のフォルダも用意する必要がある。ぼくは,「基盤地図京都及大阪と和歌山カシミール変換済」としている。

3.2 カシミールを起動する。

 基盤地図情報(標高)プラグインが先にインストールされている必要がある。対応ファイルは,国土地理院がインターネットで提供している基盤地図情報の, 5mメッシュ(標高) 10mメッシュ(標高) 50mメッシュ(標高) 250mメッシュ(標高)(北方四島のみ)で, ファイル形式は JPGIS2.0 もしくは JPGIS2.0(GML) のどちらでも。

 基盤地図情報(標高)プラグインマニュアル http://www.kashmir3d.com/fgddem/

 ツール/基盤地図情報(標高)/標高データの変換,のメニューから、XMLファイルを1つだけ選択する(これだけで同じフォルダの他のXMLファイル全部を選択することができる)。


 変換済みのものがあった場合は、変換をスキップするには「すでに変換済みの地形データは無視する」にチェックを入れる。
 最初に選択したXMLファイル1つのみを変換したい場合は「同じフォルダのすべてのXMLファイルを変換する」のチェックを外す。
「同じフォルダのすべてのXMLファイルを変換する」チェックを付けた場合は、同じフォルダにある同じ種類の標高データをすべて変換します。

 変換後,自動的に地図が呼び出され,登録される。表示速度はかなり遅い。図幅が無い場合,水色の空白が表示される。
  表示に時間がかかるが,表示が完結されたものを見ると,京都及び大阪と和歌山の地勢図範囲をダウンロードしたつもりであったがかなりの不足があった。追加は前述の方法で実施できるが,不注意故に時間を要した。SELECT-DATA.txtと日本地図センターの一覧図 http://www.jmc.or.jp/map/ichiran/ura/ura.html でカシミールでの変換の前に確認した方がいいだろう。

ここでの作業ののち,カシミールで実際に使う方法は,「10mメッシュと数値地図(地図画像)25000を使って」 http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~moto/GISContents/61.htm に示している。

4. 基盤地図情報DEMコンバータ Ver.1.4.0.8(素晴らしいソフトです)Dec. 5, 09 Rev. Mar.31,11

 ソフト公開のページ - 三匹のウリボウ  http://space.geocities.jp/bischofia_vb/ 
 【著作者・連絡先】 赤木 実

 追加: 下記の黒字のものは以前に書いたものであるが,実はバグがあった。旧バージョンを使っていたために,この丸2日奮闘した。氏のサイトをみたら,バグが解消されていた。Mar.31, 11現在最新のVer.1.4.0.8を使うべきである。
更新履歴  2011/3/7 Ver.1.4.0.8   ・BUG FIX: データなし値にかんする修正。読み込んだメッシュのデータなし値が0になっていたのでマニュアルに記載の-9999に修正した。これまで「データなし」値が0に変換されて読み込まれていました。そのまま出力 するとデータなし値が0として出力されていました。しかしDEM構成点種別が「その他」として-9999が指定されているメッシュではデータなし値が -9999のままです。この場合,メッシュのない部分を含む範囲を結合すると0と-9999の2値がデータなしの位置に存在していました(データなし設定 値は0)。この修正により海の部分の出力値が以前のバージョンと異なる場合があります。(3/9加筆)  

 このためだったんだ。宮城県の10mメッシュには海を含むため,結果的にはgeotiffが二値画像になってしまった。これで1日無駄に。海を含まないxmlファイルについてはこれまで問題がなかった。

更新履歴  2010/12/14 Ver.1.4.0.7   ・BUG FIX: 一括変換モードでラスタをすべて結合させてGeoTIFF出力をすることができなかった。

 やっぱ,バグだったんだあ。ひえー。これで1日無駄に。

 で,最善の方法は,一括変換モード。通常モードでは結合したいファイルを全部開かなければならない。開くのにメモリを結構使うようで10mメッシュ240枚目ぐらいだったか,エラーで進めなくなった。ところが,一括変換モードは凄い。仙台5mメッシュの485ファイルを一つのフォルダに入れて,Windowにドラッグアンドドロップして(全く負荷なし),geotiff(103MB,軽い)への結合に要した時間は4分弱。

 

 「国土地理院が公開している基盤地図情報のメッシュファイル(数値標高モデル)をGISソフトで一般的に読み込める GeoTIFFに変換します。入力形式はJPGIS 2.0形式およびJPGIS 2.0(GML)形式に対応しています。出力は他にBIL+HDR,GRASS ASCII形式に対応しています。」

 「【機能】 ・基盤地図情報の数値標高モデル(DEM:10mメッシュ(標高)等)ファイルを読み込む。JPGIS 2.0形式およびJPGIS 2.0(GML)形式ファイルに対応。 ・DEM画像を表示する。 ・複数のメッシュファイルを結合する。 ・GeoTIFFやBIL+HDR形式,GRASS ASCII形式で出力する。」

 「【操作方法】 展開されたフォルダにあるFGDDEMConv.exeを実行する。詳細はManual.htmlを参照してください。 【構成】 FGDDEMConv.exe・・・本体 【動作環境など】 Microsoft Windows XP/Vista等で動作します。Microsoft Visual Basic 6.0(SP6) で作成しているためVB6のランタイムが必要です。 レジストリの変更は行いませんので,アンインストールは展開されたフォルダを削除すればOKです。」

 なお,VB6のランタイムとして,いいと思うのは,
Visual Basic 6.0 Service Pack 6 Runtime Set Visual Basic 6.0で作成されたソフトの動作に必須(最新のSP6へのアップデート済)
http://www.vector.co.jp/soft/cmt/win95/util/se188840.html
/ Documents and Settingsに自動的にインストールされる。

 「コンバータで変換したメッシュファイルはGISソフトで読み込むことができます。GISの機能を使えば基盤地図情報のベクトルデータ(道路や行政界など)等と重ね合わせて表示したり,3次元で表示したり,地形量を計算したり・・・。GISソフトで処理を始めるために導入部分を紹介します。 目次  GRASSで表示する  UTM投影に変換する。」

変換したメッシュファイルを・・・(GRASS-GISに関連して) http://space.geocities.jp/bischofia_vb/appmemo.html#memo1
GRASS 6.3.0.4 for Windowsで v.rast.statsが使えるようになるまで http://space.geocities.jp/bischofia_vb/grass_tips/v_rast_stats.html

 前述のように,メッシュファイルを結合することができる。地勢図「京都及び大阪」の範囲で,当方が必要な範囲は,2万5千分の1地形図の,「法貴」と「高槻」を囲む範囲で,計12枚。国土地理院からダウンロードしたxmlファイルにはファイル番号が付加されているが,この番号は,
基準地域メッシュ http://www.biodic.go.jp/kiso/col_mesh.html から見るとわかる。地勢図枠内が2万5千分の1地形図で64枚あるが,左下(南西端)から北方向に0〜7,東方向に0〜7の区分がなされており,たとえば,法貴は2次メッシュ番号は5235-34,高槻は5235-24となる。ここの必要な矩形の例では,必要範囲は南から北方向に,5235-, 13,14,15,23,24,25, 33, 34, 35, 43, 44, 45となる。

 使い方はウェブ上にも,プログラムのヘルプからも同じものを見ることができる。

1. ダウンロードしたファイル.xmlのうち,結合(接合)したいものを一つのフォルダにまとめる。まとまった幾つかのフォルダに分かれている場合は,複数のフォルダでも問題はない。
注意点: ただおそらくPCのメモリ搭載量によって制限がある。ぼくのMacOSX 10.6.3内のParallels Desktop上のXPでは仙台5mメッシュで,結合のために画面表示している過程で,およそ250枚目でエラーが出た。フォルダで開くという作業時には恐らくおよそ制限がない。個々のDEMサイズにもよるだろうから,かなりのファイル数が或る場合,複数の結合ファイルUnionを作る計画を立てた方がいい。Grassの場合は,Unionファイルをgeotif形式で保存して,複数のgeotifファイルを,r.patchコマンドで結合すれば良い。
2. ファイル/フォルダを開く(複数のxmlファイルを含むすぐ上位のフォルダである),そして先に作成したまたは既存のフォルダを参照する。ラスタリストにフォルダ中の全ファイルが表示される。
3. ラスタリストに表示されているファイルをダブルクリックするとDEMが表示される。
4. メッシュファイルをまとめて結合するには,結合したい全ファイルをダブルクリックして開いておいて,メニューのラスタ/開かれているラスタの結合,で実現する。

 上の表示で確認できる。
 地形図の4隅の緯度経度を次のサイトで確認できる。

 5万分の1地形図及び2万5千分の1地形図の図郭四隅の新緯度・経度を調べられる。
  http://www.gsi.go.jp/MAP/NEWOLDBL/25000-50000/index25000-50000.html

 
上図のラスタリストの最下部にUnionという名称があるが,これが結合結果ファイルである。

これをダブルクリックすると,結合された全域のDEM表示を見ることができる。

 これが開いた状態で,メニューの,ファイル/保存,で,GRASS ASCII形式やGeotiff,BIL+HDR形式などで保存できる。10mメッシュだけでなく,5mメッシュも可能である。なお,保存する際に当然ファイル名を入力する。その結果,Unionファイルは,すぐ上掲の基盤地図情報DEMコンバータのファイル表示のウィンドウでその新しいファイル名が反映される。これを選んで,メーンメニューのラスタ/ラスタ情報の表示を選んで,全体の矩形領域などをメモしておく(ただし,GdalやGrassを使う際にはこの情報は不要)。

Title: Sendai5m_16_17_26_27
SourceFileName:
Type:
ドキュメントの種類: ラスタ ID: 635
データ変数の型: SINGLE(4バイト浮動小数点数)
サイズ: 幅 3600 * 高さ 1950
座標: 地理座標(経緯度)
左下セル左下隅座標: E 140°48′0″N 38°8′30″
格子間隔: DE 0°0′0.2″DN 0°0′0.2″
右上セル右上隅座標: E 141°0′0″N 38°15′0″
NONE値: 0

 

GeotiffはGRASS 6.3.0で読み込めることが確認されているとのこと(LocationはESPGコード4612(JGD2000の経緯度座標系)で作成)。

5. 必要矩形領域のファイル名検索: メッシュコードの仕組み(4.補足)

 第1次メッシュは、経度差1度、緯度差40分で区画された範囲で,1/200,000地勢図にあたる。
 第2次メッシュは第1次メッシュを縦横8等分したもので,1/25,000地形図にあたる。
 第3次メッシュは第2次メッシュを縦横10等分したもの, 一般にこの第3次地域区画のことを「基準地域メッシュ」あるいは「3次メッシュ」と呼ぶ。
 ここでは特に,第1次,第2次メッシュについて解説する。  大阪が位置する地勢図は,京都及大阪,である。メッシュコードは5235で表される。この地勢図は,北緯34度40分から35度20分,東経135度から136度の範囲をカバーする。この範囲の原点は南西隅である。つまり,北緯34度40分(34.66度),東経135度である。メッシュコードの前半の二桁52は,34.7*1.5=52,後半の二桁は135度の下二桁。  それでは,第1次メッシュコード6542(旭川)の南西隅の経緯度はいくらでしょうか。  さて,国土基盤情報の標高データの一つである10mメッシュデータを, 京都及大阪,のすべてをダウンロードしたが,これには,ファイル名が,FG-GML-5235-00-dem10b-2009201.xml以下,64ファイルからなる。このファイル番号の,00のところが,00以降,01,02,と続くが,08,09がない。同様に,18, 19,28, 29, …..,68, 69, そして78以下がない。これは下の図をみると納得できる。

 mesh123

http://www.biodic.go.jp/kiso/col_mesh.html より。

 南西隅から00が始まり,まずは最も下の行の左端から右端,そして一つ上の行に移動して,また左端から右端に続く。京都及び大阪,内の10mファイルの番号から,1/25,000地形図の名称を把握できる。必要な場所の確認は地勢図で実施するのであるが,この画像は地図画像か紙地図で求める必要がある。この確認のあと,地形図のhttp://www.jmc.or.jp/map/ichiran/top.htmlに掲載されている地図一覧図との対応を見る。  次の図は地勢図『京都及大阪』の1/50,000地形図の配置に対し1/25,000地形図の配列をグリッドで示し,10mメッシュのファイル名を導く作業図である。この黄色の矩形枠内の9図面が求める北摂山地の領域である。1/25,000地形図の図廓名を一応,その下の図に示している。 4.ではこの矩形枠よりも北側の-43,-44, -45を含む。

 http://www.ecoris.co.jp/contents/maptool.html はメッシュ番号を得るのに便利である。

 

 

 

 

以上