数値地図25000(旧測地系TokyoDatum, 1997発行)と,2009年春に全国で整備されたフリーの基盤地図情報10m標高(国土地理院作成)を使って,データベースを作成した。これまでの50m MEMとは比べものにならない豊かな地形表現が可能になった。
カシミールは,旧測地系のCD-ROMであっても,自動的に判別してくれる。地図画像に標高データを指定することも可能で,その処理の後は,数値地図(地図画像)と標高データ(ここでは,基盤地図情報10m標高)が重なった状態で使用できる。
「基盤地図情報10m標高」の国土地理院サイトからのダウンロード,カシミール用のファイル変換などについては,ぼくのウェブサイトの次に示す。http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~moto/GIS_Frameset.html の左のフレームのうちの,カシミールの活用 ☆ 10mメッシュ標高データと数値地図25000と に示している。http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~moto/GISContents/62.htm
1.1 ファイル/数値地図(地図画像)CD-ROMのインストール/を選ぶ。
1.2 「CD-ROMを自動検出する」,にチェックを入れて,CD-ROMを入れる。
1.3 すぐに検出される。全画像のリストが出る。必要な画像をマウスで選ぶ。次へ。
4. 新規に作成する,を選ぶ。
(以前に数値地図25000,をインストールした場合は,「以前に作成したファイルに追加する」を選択すればいいのだが,パスが不明の場合は新規に作成するであろう。ボクの場合,数値地図25000はこれまでインストールしていないが,かつて,5mメッシュCD-ROMをカシミールにかつてインストールしており,これは,ファイル/データ一覧,を開いて,地図をクリックすると,Dataフォルダー内のファイル群が表示される。この上位のパスを見ると,c:/Documents and Settings/Administrator/moto_additional_docs/KyotoOsaka_5m_mesh/_/Dataにインストールされている)。次へ。
1.5 旧形式で作成します(旧形式対応版,世界測地系対応版),と表示される。次へ。
1.6 地図のタイトルを入力してください,の枠に,ぼくの場合,「数値地図画像25000」とした。デフォルトで表示されたパスは,c:\Program Files\Kashmir\MapImage\new,として,各画像ファイルは,new00000.bmp,....,となるとのことである。
1.7 地図の出力サイズを指定。1枚の地図サイズpixelは,デフォルトでは2300x1900(標準コンパクト)であるが,最大の3070x2540(大きくて見やすい)を選んだ。次へ。
1.8 標高データを重ねる場合は,標高データを指定してください,とある。もちろん,標高データを重ねる方を選びたいのだがどのパスにあるのかわからない。.xemファイルなどを検索しても見つからない。パスの構造を見てもわからない。インストールの後に(後述),重ね合わせが可能なので,「標高データを重ねない」,を選ぶ。次へ。
1.9 地形図の8ビットのレイヤーの色の指定や表示が可能であるが,後に変更可能なので,ここでは,次へ。
1.10 72ファイル(地図画像は地勢図1枚に対して64個が普通)の処理が実行される。
1.11 「地図の出力は正常に終了しました。地図はc:\Program Files\Kashmir\MapImage\New00000.cmpというファイル名です。この地図を開くときはこのファイル名を指定してください」とされる。ヒント:ジャンプメニューに地図を登録するとすぐに地図を呼び出せます,とある。
編集/標高データを重ねる(MATの作成)/次へ,の後に出る「標高データの選択」窓で,[一覧から選択]ボタンを押し,「基盤地図情報10m標高」を選ぶ。(ファイルを選ぶために,参照ボタンを押すと大変なことになる。.xemファイルはファインダではみつからない。みつけても,これは地図データではありませんと叱られる)
「出力するMATのファイル名を指定してください。次回からこのMAT地図を開けばビットマップ地図と標高データが重なった状態で使用できます」とされる。出力するMATファイル名の枠にはc:\Program Files\Kashmir|MapImage\New00000.matが表示されている。「このMAT地図をジャンプに登録する」のオプションにもチェックを入れてコメント欄に名称を入れることもできる。ジャンプ/現在地図をマーク,で数値地図を登録していてもこれは画像だけのもの。標高データと重ね合わせたこの.matファイルは別途登録する必要がある。ぼくは,数値地図25000+10mメッシュ,と表現している。
3.1 これまでの処理では,地勢図「京都及び大阪」の地図画像64枚を読み込んで標高データを重ね合わせた。次に,地勢図「和歌山」の地図画像も全部読み込む。
3.2 CD-ROMを入れて読み込むのであるが,「現在開いている地図ファイルに追加する」,というオプションを選ぶことができる。
読み込みが完了したら,この地図データセットの名称を入力し,ファイル名を指定することになる。名称についてはチェックされないが,ファイル名はデフォルトでは,前回の「京都及び大阪」と同様の名称が表示される。前回と同様の名,つまり,c:\Program Files\Kashmir\MapImage\new00000.bmpとなる。このままにすると,上書きされるので,例えば,c:\Program Files\Kashmir\MapImage\New_Wakayama00000.bmpとする必要がある。
3.3 読み込まれた結果を見ると,「京都及び大阪」と結合されていない。「和歌山」で独立している。そこで次のように結合する。
3.4 ツール/地図画像ツール/作成済み地図画像の結合。結合対象の画像を選ぶ。参照で,c:\Program Files\Kashmir/MapImage,を選ぶと,下のウィンドに対象地図一覧が表示される。ぼくの現在の環境では,数値地図画像25000(京都及び大阪)と地図画像25000(和歌山)が表示されている。
当然,数値地図画像25000(京都及び大阪)を選ぶ。地図を結合中....として数分。
3.5 ファイル/地図を開く,で見ると,地図画像のみのフォルダに,数値地図画像25000と地図画像25000が残っている。前者は「京都及び大阪」のみの画像なので,これを選んで右クリックして,リストから削除,を実施する。この際に,地図画像ファイルは削除しない旨のメッセージが出る。
3.6 改めて,標高データを重ねることになる。問題なく重ねることができる。標高データの名称は,京都及び大阪,の際に作成した名称がそのまま残る。つまり新たに作成されない。
なお,10mメッシュの標高データとスキャナで取得された5mメッシュが共存できれば結構なのだが,残念ながらカシミールでは対応していない。5mメッシュは50mメッシュのMEMと共存できる。
表現の違いを見て欲しい。
図1 地図画像のみ/数値地図画像25000
図2 標高データ+地図画像/カシミール3D解説本/2万5千地形図
図3 標高データ+地図画像/数値地図画像25000[New00000.mat]
なお,地図画像が旧測地系で,10mメッシュが世界測地系であるために,「京都及び大阪」と「和歌山」の結合域の縁辺で重なりにズレが見られる。ただ,測地系の位置決めに問題はない。世界測地系に変換されている。
図4
以上