Nov.28, 09作成  Oct. 2, 2010修正

DEM上 に複数の地図画像を貼り付けて

 GISを使う魅力の一つは,DEM上に何らかの地図画像を貼り付けることにある。しかも1枚ではなく,複数の地図画像をである。Geotiffファイルであれば,地球上の位置情報も入っているが,自分でイラストレータなどのドローソフトを使ってベクトル地図を作って,それを画像ファイルとして出力する場合,WindowsではマイクロソフトのBMP(Microsoft Windows Bitmap Image)ファイルとして出力する。自分で作った地図画像の基図はもちろん地図である。隣接する地図に何らかの作業をして,さて接合するという段になるとどうしてもGIS環境が必要となる。この目的にもカシミールは堪えてくれる。以下,こういった作業について,カシミールの機能を紹介する。カシミールに記述されている内容を引用することになるが,教材として利用させていただくので,作者にはご理解いただきたいと思う。この方向ではシェーディングで立体感を得る。3D表示したい場合はKashi Birdを使うことになるが表示が重くなる。

I 一つ一つのビットマップのDEM上への貼り付け

次のページを参考にしている。 http://www.kashmir3d.com/kash/manual/map_bitm.htm

0. カシミールに読み込む地図画像はPhotoshopなどでビットマップ(BMP)ファイルとする。
 カシミールのサイトには言及がないが,ビットマップファイルであっても必ずしも読み込むことはできない(Error No. 917 指定したBMPファイルが開けないか,使用できる形式ではありません,など)。例えば,公共座標系の地図をスキャンしてtif画像として登録したものを単にBPMファイルとして保存してもカシミールでは表示されない。ファイルをAdobe Photoshopアイコンに載せると,はじめにプロファイルを指定するアラートが現れる。ここで,プロファイルの指定として,Adobe RGB(1998)を選ぶ(オプションの「次はファイルを作業用のRGBに」にチェックをしておけばいい)。イメージメニューで確認すると,インデックスカラーの8bit/チャネルになっている。  前もって,地図画像の左上隅と右下隅の経緯度を調べておくこと。###度##分##.##秒の形で記録すること。基図の4隅の経緯度情報がある場合はそれを使うが,もし既存情報がない場合は,対角方向のできるだけ離れた2点以上の経緯度をGoogle Earthやうぉ地図などで調べておく必要がある。
1. ファイル/開く/地図/形式を指定した地図/BMP地図/,から,自作のビットマップファイルを指定する。
2. 地図情報の設定画面になる。左上と右下の経緯度を入力して正確な位置決めをする。
3. 編集/標高データを重ねる(MAT図作成),では,標高地図の選択,画面で,一覧から選択,のボタンを押すと,DEMなどを呼び出すことができる。たとえば,自ら保存した,基盤地図情報10m標高を選ぶことができる。 保存する際に,ジャンプ/現在位置をマーク, をしておくと,ジャンプメニューから直接開くことができるので便利ではある。この基盤地図情報10m標高DEMに表示された1/3000平面直角座標系地図を見ると,見事なレリーフマップ(レリーフマップ2が気に入っている)が得られる。

  わかっている緯度経度が左上と右下以外の場合は、あとから調整することができるので,一旦はOKを押して地図を表示させることができる。
 位置決め: 編集/地図のキャリブレーション/メニューを開く。つづいて、[指定開始]を押して、地図上の2点以上の緯度経度がわかっている点を指定する。そして、それぞれの経緯度を設定して[実行]を押す。

II 複数の同じサイズのビットマップをDEM上に貼り付け

0.1 複数ビットマップに求められる条件

 複数のビットマップをタイル状につないでカシミールに取り込むことができる。矩形で縦横のサイズが同じで,縦横とも同じ枚数で無ければならない。既存地図が国土基本図などの場合,地図部分だけを切り取るとこの条件に当てはめることができる。しかしながら,同じサイズに切り取ることはかなり難しいことである。上に示した個々に画像を取り込む方が簡単かも知れない。当然,解像度は同じでなければならない。

 各ピクセルに対応するビット数つまり,色の深さは 8ビットまたは24ビットが要求される。通常の画像は24ビットである。何らかの解析をする場合,色は単純な方がいい。複数の地図画像を結合するにはハードの負担が大きいから,24ビットよりも8ビットにした方がいい。ファイルサイズが1/3になるからである。「8ビットの場合にはパレットが同じであること、が必要」とある。
 8ビットカラーは、「フルカラー(16,777,216色)の中から任意に抜き出した256色のカラーパレットを参照して画像を表現します。インデックスカラー(Index Color)やパレットカラー(Palette Color)とも呼ばれます。任意に抜き出す色がOSやペイントソフトによって多少異なるため、同じ256色カラーの画像でもOSにより違う色で表示されます」(参考: http://www.asahi-net.or.jp/~AX2S-KMTN/pict.html)。カシミールではWindows用の8ビットカラーに対応している。Photoshopなどの画像解析ソフトで,フルカラー画像をインデックスカラー画像に変更して,保存する際にOSを選択することになるので,Windows用を選ぶこと。

0.2 複数ビットマップに連番のファイル名をつける

 矩形領域の第1行第1列のファイル名がゼロで,第1行の右端から,第2行の左端へ。第2行の左端から右端へ,というような連番を設定する。

map0000.bmp  map0001.bmp  map0002.bmp  map0003.bmp
map0004.bmp  map0005.bmp  map0006.bmp  map0007.bmp
map0008.bmp  map0009.bmp  map0010.bmp  map0011.bmp

 といった具合。

1. ビットマップを開く

 ファイル/開く/ビットマップ地図/,を選択して、最初のビットマップファイルを指定する。上の例では、map0000.bmp である。ほかのファイルを選択しない。  

2. 地図情報の設定  

 地図情報の設定画面になる。緯度経度を指定するほか、右下の、複数ビットマップの項目に横と縦のビットマップの数を入れる。上の例では、横が4、縦が3。ここで指定する、 左上と右下の緯度経度は、地図全体の左上と右下です。map0000.bmp のみのことではない。
  測地系を必ず設定する。同じ緯度経度でも測地系が違えば、同じ場所ではなくなる。日本の場合、古い地図ではTOKYOを使用している物が多く、新しい物ではWGS84またはJGD2000(測地成果2000)を使用している物が多い。

 以上で,地図が取り込まれて,表示される。標高データとの重ね合わせは,本サイトの,地理情報システム/カシミールの活用/10mメッシュと数値地図(地図画像)25000を使って/2. 標高データを重ねる,を参照されたい。

 

II MAT形式地図の作成: 地図画像と標高データの結合

カシミール 1.9 MAT形式地図 参照http://www.kashmir3d.com/kash/manual/map_mat.htm

 「MAT形式は数値地図などの標高データとビットマップなどのイメージ地図を同時に使えるようにするためのファイル。つまり、ビットマップ地図に標高情報を加えることができる」。標高情報の重ね合わせ方,MAT形式の書き方,MATを利用した縮尺への対応,が示されている。

 

III グレースケールで画像にした地形データを標高データとして取り込む

カシミールの1.7 グレースケール  http://www.kashmir3d.com/kash/manual/map_gray.htm を参照。

以 上