ここに示したのは下記2サイトに掲載されているものと一部「マイペディア99」(テキスト版)を主に使用して,取捨選択・追加・編集し,簡略化,一部修正を加えたものです。
http://www.igis.co.jp/gisdict/index.htm
株式会社インターネット・ジーアイエス GIS用語辞典Ver.2.1
http://www.gis.jacic.or.jp/gis/jacic_gis_hiroba.html
財団法人日本建設情報総合センター 建設情報研究所 GISのひろば GIS用語集
キャドCAD computer aided design コンピューター援用(または支援)設計 設計者が設計用の道具としてコンピューターを利用し,会話形式で行う設計をいう。CADでは設計の主体は人間であり,コンピューターは作業を援助し能率化するための単なる道具であり,コンピューターによる自動設計が可能なDA(design
automation)とは異なる。GISと併用される。
DXF drawing interchange format Autodesk社(米)のCADソフトである「AutoCAD」のデータ交換用のフォーマット。CADの世界でのデファクト(事実上の,の意)スタンダードとなっており、GISでも利用されている。
DBMS データベースを管理するシステム(data base management system)を言う。その方法には3種あるが,データをそれぞれ独立させながら、データ間の関係をあらわす情報を持つリレーショナル型が広く使われており,GISでの属性情報と空間情報をつなぐ重要なシステムでもある。
G-XML Geography- Extensible Markup Language web言語のXMLをGIS向けに拡張したプロトコル。通産省が呼びかけた、産官学共同プロジェクト「GIS関連情報の相互流通に関する技術開発及び実証実験事業」の中で、GISの相互運用の一つの手段。空間データと地理的属性情報を、統一的に蓄積・伝達できる。
次のサイトを参照のこと: http://e-words.jp/p/c-it-geography.html
カーナビゲーションシステムcar navigation system 車の専用機に搭載した地図データとGPSなどから得られる自車の位置情報を重ね合わせ、
ナビゲーションするGIS。以前は縮尺1/25000の道路地図中心であったが、最近は都市部では縮尺1/2500の地図と併用したり、3D表示するなど表現力が高まっている。
車内ビルトインタイプのカーナビはそれに内蔵されているジャイロセンサーや車からの速度情報を得て,精度を高めている。
ETC electronic toll collection system 車両に搭載した車載器と料金所に設置したアンテナとの間の無線通信によって、自動的に有料道路料金の支払を行うノンストップ自動料金収受システム。利用には、車両IDを書き込んだ車載器とクレジットカード会社発行のETCカード(ETCシステム用のICカード)が必要。
高度道路交通システムITS Intelligent Transport Systems 情報技術を活用した新しい道路交通システムの総称。交通事故の減少、渋滞の緩和、排ガスの低減など、車社会における快適性・安全性の向上を目的とする。具体的には、カーナビによる情報入手や自動料金収受システム(ETC)のさらなる高度化に加え、危険警告や運転補助による安全運転の支援、渋滞や交通規制情報の提供による最適な交通流の保持、業務用車両の運行の効率化などを実現する。また、歩行者に対しても危険防止や経路案内などの情報支援を行う。運転者の主体性が失われていくことでの危険性を内包する。
VICSビックス vehicle information & communication system 各種移動通信メディアを利用することにより、渋滞情報、事故情報、交通規制情報、工事情報、旅行時間情報、駐車場情報など、時々刻々変化する動的情報をリアルタイムに走行中のドライバに対して提供する。情報提供メディアとしては、情報ビーコン(走行道)、FM多重放送(広域)等複数のメディアがあり、各メディアの特徴を生かした情報提供が行われる。
GPS global positioning system 人工衛星からの電波を受けて、位置を測定する技術。また、その装置。測量やカーナビゲーションなどに利用される。米国防省が運営・管理している
衛星ナビスター NAVSTAR:navigation system with time and ranging)を利用した位置測定システム 地球上空約2万kmの高度の6つの軌道面上にアクティブな衛星21個とバックアップ用の予備衛星3個が配置されている。各衛星は原子時計を搭載し、これに基づく正確な時刻と、軌道計算に基づく正確な位置情報を持っている。各衛星は、この時刻と位置とを符号化して発信する。位置決定用の3機と受信機の時計補正用の1機計4機以上の衛星から電波を受信し、各々の衛星から電波が届くまでの時間を測定することにより、正確な位置、移動方向、移動速度を24時間リアルタイムで知ることができる。従来のGPSの精度は100m程度であったが、2000年5月にSA(Selective
Availability 精度を落とすための誤差信号)が解除され10m程度の精度が得られるようになった(2005年まで保証されている)。さらに、DGPSなどの方式を用いれば,ビルなどの障碍があっても都心部でも5〜50mの精度が得られる。座標系は地球の重心に原点をもつWGS84が使われている。日本測地系2000も対応した。関連情報は,http://www.iri.pref.niigata.jp/research/Stray/kotei/dgps.htmやhttp://www.valley.ne.jp/~kazuo/gps/usage/faq/terms.htm#N-Sや木庭の「地理情報システム/GISイントロ/世界測地系について」を参照のこと。
DGPS diffrential GPS GPSの精度を高める一つの手法で、座標値が既知の地上基地局の情報から位置情報の誤差を求めて、未知の地点の誤差を補正する方法。関連情報は,http://www.iri.pref.niigata.jp/research/Stray/kotei/dgps.htmを参照のこと。
イコノス IKONOS スペースイメージング社(米)の開発した、商用の高分解能衛星画像の提供システム。1mの精度の詳細なレベルで、生画像やオルソ画像などが提供されている。1999.9に米国スペースイメージング社が打ち上げた高解像度衛星の名称。パンクロマチィック画像で約1mの解像度を持つ。
サー SAR synthetic aperture radar:合成開口レーダー 航空機や人工衛星に搭載し、マイクロ波を地上に照射して、その反射波から起伏や構造を観測するリモートセンシング技術。マイクロ波は雲を通過するので、天候の影響を受けずに観測することができる。現在、土木研究所や国土地理院などで利用研究が進められている。
WGS84 World Geodetic System 1984 地球重心に原点を持つ測地座標系で、GPSの正式座標系として幅広く使用されている。
測地成果2000 国土地理院が準備を進めている世界測地系に準拠した新しい日本の測地系による測地基準点成果の呼称。
ユニバーサル横メルカトル図法 universal traverse Mercator grid 横メルカトール図法の一つ。25万分の1以上の縮尺の地図に対して国際的に採用されている図法。この図法は80度より高緯度の地域には使われていない。経度6度ごとに地球を60の部分に分割し、それぞれの中央経線で地球面にほぼ接した円筒面を用意し,地球の中心に光源を想定して,地球面を用意した円筒に投影する。緯度80度以上の極地域についてはUPS座標系が用いられている。
衛星写真や地形図に利用されている座標系で,平面直角座標系とともにGISでも最も利用されている。より詳細は木庭のサイトの「地理情報システム/GISイントロ/投影法に関わって」やhttp://www.nps.gov/prwi/readutm.htmを参照すること。
ODYSSEY ハーバード大学で開発された世界最初の本格的GIS。順次開発した機能が整備され、1983年にODYSSEYとして完成した。
TUMSY 東京ガス(株)の開発したガス導管網の設備管理マッピングシステム。 我が国のAM/FMの先駆的システムで、本支管からスタートし、供給管や家型のデジタル化も行い、現在では設備管理だけでなく営業戦略の立案などにも使われる統合的なシステムとなっている。
McGIS 日本マクドナルド株式会社が店舗開発の迅速化を目的として開発した。MC-MAPはMcGISを一般ユーザ向けに標準化したも のである。
ゼンリン住宅地図 都市基本図などをベースに家屋の一軒一軒の名前が記入されているのが大きな特徴。これをデジタル化したものが、「ZmapTOWN
II」である。
ZMAP (株) ゼンリンの総合地図データ商品名。Zmapデータベースは道路、鉄道、建物、行政界、戸別の建物名称などを128レイヤーで管理し高度な地図データベースの構築を可能とするデータ環境を整えている。
デジタルアース digital earth 米ゴア副大統領の提唱している構想で、全世界の1m精度のデジタル地図を作製し、インターネットを通して世界中への配信を目指している。
NSDI national spatial data infrastructure 社会全体における地理情報の有効利用や地理情報産業の推進・強化を目指した地理情報の整備・提供や制度の改善を総称したもの。NIIの一環として、米国の情報政策目標として提案された。NSDIをモデルとしてわが国でも国土空間データ基盤の構築作業が進められている。
TC211(Technical Committee211) ISOにおいて、1994年4月に設立された地理情報分野の専門委員会であり、議長国はノルウェイ、1996年3月時点でのメンバー国は37ケ国である。日本は1994年11月の当初から正式メンバーとして参加している。TC211の目的は、地球上の位置に関連付けられている対象物または現象に関する情報についての構造化された標準体系を確立することである。
クリアリングハウスclearing house 空間データ、属性データなどの所在や形式を管理し、流通させる仕組み。ユーザーはクリアリングハウスにアクセスすることにより、様々なデータを利用することが出来る。
国土数値情報 国土庁が整備している数値情報で、1kmメッシュ単位に人工、土地利用などのデータが数値化されている。(財)日本地図センターからCD-ROMで販売されている。
白地図データベース 自治体や公益企業のための基図を提供するために建設省建設経済局が企画し、国土地理院の支援を受け、民間企業も参加して作成したデジタル地図。1/2500の都市計画図をベースに作成されている。
ラスターデータraster data 画像データのこと。一つ一つの点の集合で表現される。スキャナーやデジタルカメラで容易に作成できるが、編集やさまざまな操作は難しい。一般的には、「見るだけ」になってしまいがち。
mesh メッシュ 欧米ではメッシュ即ち面的単位の集計値を記述する場合をグリッド・セル(grid cell)方式、結び目即ち点の属性を記述する場合をグリッド(grid)方式と呼ぶのが普通のようだが、わが国では双方を併せてメッシュ方式と呼んでいる。
vector data ベクトルデータ 線図形のデータ。ラスターデータと比較して、データ量が少なくなることや、編集が容易になるなどの特性を持つ。
ベクトル化 vectorization ラスターデータをベクトルデータにすること。一般的には、ノイズ除去などの前処理を行った後、ラスターデータに対し細線化や輪郭抽出を行い、点をつなぎながらベクトル化していく。この後、アプリケーションによっては、文字認識や図形認識の処理に進む
。
ポリゴン polygon 多角形のこと。図形的に始点と終点が閉じており、塗りつぶしや、内外判定などが出来る。GISでは、家型や行政界などがポリゴンとして取り扱われることが多い。ポリゴンには、単一ポリゴンと複合ポリゴン(穴のあいたポリゴン)があり、取り扱いが異なる。
セントロイドcentroid 地域や街区、家型などのポリゴンの中心点。図心とか代表点と呼ぶこともある。ある領域の属性値を表示する時に、この中心点が使われることが多い。
address point 住所を代表する点のX、Y座標。例えば、○○1丁目とかX番地いうエリアを代表する点で、セントロイドなどが使用される。
アドレスマッチング address matching 住所データを地図上の座標値にマッチングさせること。 顧客DBなどの属性データベースを地図上に展開するための重要技術である。使用するデジタル地図や整備地域により、どのレベル(町丁目、地番、号番)まで自動的にマッチング出来るかが決まる。必要なレベルまで自動マッチングできない場合、手動で正しい位置に動かす必要がある。
被覆 coverage リモートセンシングにおける土地利用などの面的な広がりを持ったデータの集合。
メタデータ metadata データの所在、内容、品質、条件などを記述したデータのこと。メタデータは定まった書式で記述されることが望ましいため、ISO/TC211や建設省の官民連帯共同研究などで標準化のための研究がすすめられており、いずれは国内標準として通用することになる。地理情報の1表現手法であり、地表面を一定のルールに従い、多数の正方形などに分割したもの。分割の方法により、正方形、長方形、三角形、六角形などが利用される。こうしたメッシュごとにデータを与えることで、その分布などを表現できる。
アーク arc ノード(始点)とノード(終点)を結ぶ方向を持った線。リンクと呼ばれることもある。
ノード node エッジの境界となる端点(始点、終点)。
エッジ edge ノード(端点)とノードを結ぶ複数の点から構成される線で位相情報を持つもの。
地物 feature 実世界の存在を抽象化した概念。例えば、道路、鉄道、学校、病院など現実世界に存在する物。また、行政界のように仮想的に存在するものも地物と見なすことが出来る。英語では、feature。ISO/TC211では、
abstraction of real world phenomena. と定義している。 地物は型ないしクラスとしてみられる場合と、そのインスタンスとしてみられる場合がある。両者が混同する恐れがある場合は、地物型ないし地物インスタンスという言葉が使われる。例えば実世界に存在する国道一号線は、国道という地物型の地物インスタンスとしてコンピュータに格納される
アトリビュート attribute 文字、数字などの属性データのことで、地図の図形データと結びつけて様々な分析に活用される。
レイヤ layer デジタル地図を、行政界や街区、家型などに分類した階層のこと
オーバーレイ overlay 複数の地図や空間データを、ユーザーの目的に応じて重ね合わせて図形で切り取り、新しい空間データを作成すること。
アフィン変換 affine conversion 二次元の座標変換の一種で、図形の拡大、縮小、回転、せん断、平行移動の処理が出来る。一般的で、取り扱いが容易なためGISやCADなどで広く使われている。
オルソ画像 ortho image 航空写真や衛星画像を、対応する地図に位置合わせする形で変換された画像。
主題図 thematic map 土地利用図や医療機関マップのような、特定のテーマに的を絞って作製された地図。ベクトルデータで構造化されたデジタルデータを利用できるGISなら、この主題図をレイヤーコントロールや地図に属性データを重ね合わせることにより容易に作成することが出来る。これが紙地図にはできないGISの大きなメリットである。
ジオコーディング geocoding 間接的な位置参照情報を、空間的な地図上の位置に対応づけるためのコード化法。
geoTIFF ファイル形式はTIFFと同じであるが、1995年に SPOTイメージ社がホストとなり、USGS,NASA/JPL, ESRI,SPOT
等が参加して、tagの部分に画像4隅の座標値を記録する標準仕様が作成された。これにより、画像ファイルの他に管理ファイルを作成し座標値を管理する必要がなくなり、また異なるシステム間でのデータ交換も容易になった。
空間データ交換に関する米国連邦政府情報処理基準 SDTS spatial data transfer standard GISでは、ベクトルやラスターなどの様々な形のデータが取り扱われるが、こうした異なるデータタイプやモデル間での空間データの交換を可能にする空間データの概念的定義や統合モデル、レコードレベルのコード体系を示したものである。米国の1990年の国勢調査で作成されたTIGERは、SDTSに準拠している。
TIGER topologically integrated geographic encoding and referencing file 米国国勢調査局で開発された人口調査を支援するためのデジタル地図。米国内の何百万の国勢調査ブロックを対象とするデータが用意されており、GISにとって重要なリソースとなっている。
自動地図図化 automated mappinng /施設管理システム facility management AM/FM デジタル地図を活用した設備管理システム。電力、通信、ガス会社などで、電柱や地下埋設管の管理などに使われる。
DEM digital elevation model これは地形を3次元座標でディジタル表現するモデル。等間隔格子点ごとに標高値を与えてそれによる補間で地形を表現することが基礎となっている。ただ格子点標高値からの補間では山の頂や尾根線、谷線がデータにとられる確率が低く、従って補間結果が実際の地形より平滑化される傾向がある。このため頂上などの特異点や地形の変曲線などを付加する場合があり、前者をcritical
point、後者をbreak lineなどと呼ぶ。
以 上