2003.2.10作成 2.11,2.13修正

ASTERデータ検索の実際

 今年の学部入試の採点も終わった。昨年末からずーとインフルエンザ罹患中のためもあってか,今年度は最も疲れ切った。さらに本学も風雲急を告げる?,様相を示しており,人生設計なんてぼくは今まで考えもしなかったけど,耐乏生活を始める決断をしなければならないかも。GISなんかで遊んでいていいんだろうか。

ASTER利用者窓口システム
http://imsweb.aster.ersdac.or.jp/ims/html/MainMenu/MainMenu_j.html
に入って検索する。ASTERのデータ取得は1999年末からであるが,実用データの取得は2001年春からである。
 なお,この上のページのトップに「Macをお使いの方へ (2003/1/24) 」のリンクがある。ぼくもMac communityの一員なので,この指示に基づいて,ブラウザー周辺を整えた。特に,ブラウザーIEへのメモリ割り当てを64MBにするのを当初忘れていたため,衛星写真検索の後のブラウズで画像を表示しようとするとフリーズするという現象が見られたが,その回数は設定後急減した。
 ユーザー登録をしないと検索する際にも不便が生じる。購入予定があるのであれば,登録したがいい。登録はオンラインではできず申請書を郵送して,その後に登録完了通知を文書で受け取る必要性がある(価格は後述)。
 ASTER Science Projectの共同研究に参画すれば種々の入手の配慮がある。
http://terrast.aster.ersdac.or.jp/

 下記のアスターデータ入手のための全体手順案内を参照すること。
http://www.gds.aster.ersdac.or.jp/gds_www2002/service_j/all.guid_j/set_all.guid_j.html

1. 検索の実行

 このページのDPR(プロダクツ要求)から,DPR(プロダクツ要求)メニューに入って,DPR SEARCHを選ぶと,プロダクト検索画面が表示される。
 オンライン検索の説明のページ(次行)があるが,ぼくは読む気がしなかった。ただ,それで2日無駄にした。というのは,求める範囲と検索後のシーンとの関係を見る方法を知らなかったために,エクセルでその手法を作ってしまった。ただこのサイトのものと比べるとかなり劣っているので,もう廃棄しようと思う。今日2003.2.13まで掲載していたエクセルファイルを削除した。ということがあるので,次のサイトを参照した方がいいかも知れない。
http://www.gds.aster.ersdac.or.jp/gds_www2002/service_j/g.u.p_j/g.u.p4_j.html
 二つのタブ画面があり,
 DPR検索で,検索開始日を入れる(一律に2000年とすれば全部が懸かる)。処理レベルは低いものを入れて,データセットIDを入れるとそれ以上のデータが引っ掛かる。データセットはASTL1AとASTL1Bがデフォルトで指定されている。ここで他のプロダクツも指定できるが次に示す「ASTERの利用者サービス担当者」の指摘のようにLevel 1Aがあれば種々のプロダクツのオーダーをすることができるのでデフォルトでいい(AST3A01つまりDEMで位置が補正されたオルソ画像を得るには精度の高いASTL1Aが必要である)。

引用: 観測されたデータはすべてLevel 1Aに処理されますが、それ以外のプロダクツは基本的にユーザよりの要求がないとアーカイブ(化)されません。よって検索の際はまず Level 1Aのみでされることをお奨めいたします。

検索してASTL1Bにヒットし,それと同じ場所と日時のASTL1Aが同時にヒットしない場合,ASTL1Bの元のASTL1Aデータの質が十分でないことを意味するらしい。
 検索最大データ数はデフォルトでは100となっている。もちろん変更可能である。
 雲量をYesにして%を選ぶが0%でデータがあればいいが(0%でヒットした画像にも相対的に小さな雲が散らばっていることが多い)無い場合10%にすることもありうる。雲量10%の意味は,0%より多く10%以下。検索結果を見ると,シーンが4区分されており,QUADRANT CLOUD COVERAGE=3%,13%,5%,21%といった情報がある。この数値は,左上域,右上域,右下域,左下域の雲量に対応する。ブラウズする画像が用意されているのであれば,雲量をNoにすることも考えられる。雲の分布は地形や海岸からの距離などと関連するので,シーン一枚の必要部分には雲がほとんど無い可能性もある。
 次に検索地域を指定する。検索地域タブ上の右の大きな地図を利用する。まず,「クリック & ドラッグ ズームイン」のボタンをクリックすると,地図上のマウスの矢印が手の形に変わる。その中心で拡大したい場所を中心にしてクリックしてドラッグすると,ドラッグして描画された矩形範囲がズームインの範囲となる。まずはその範囲を大きくしないと拡大されすぎて現在位置がつかめなくなる。ただ,この後でも「ズーム」ボタンでズーム率を小さくすればいい。なお,この作業で矩形範囲が指定された訳ではない。
 「クリック & ドラッグ ズームイン」ボタンを使わずにマウスで矩形を作ってその後に「ズーム」ボタンを使うことも可能ではあるが,その位置を中心に地図が描画されない。マウスで矩形範囲を設定して「描画」ボタンを押すと,矩形範囲を示す線が赤く表示される。
 経緯度で検索する場合には,前もって地図画像や紙地図で経緯度(度分秒)を調べてそれを検索ページの左の4つの空欄に入力する。
(e.g. 茨木市域を全域カバーする範囲は,最北緯度34度56分,最南緯度34度46分,最西経度135度29分45秒,最東経度135度37分; Majuroの場合,最北緯度7度24分,最南緯度6度44分,最西経度170度29分,最東経度171度15分)
そして「地図上に表示」のボタンをクリックすると,入力値に対応した赤い矩形領域が表示される。
参考: この検索地域のタブ画面で,ASTERかLANDSAT-4/5を選んでシーン境界を選ぶと,撮影シーンをおよそ確認することができる。茨木市の場合,ASTERではルートが外れており,かなり厳しい使用環境であることがわかる。LANDSAT-4/5の表示はASTERのサイトと直接に関係は無いが,参考程度に表示される。茨木市の場合,LANDSAT-4/5の方が適切のように思える。現在公開されているASTER画像に茨木市域全域をカバーするものは無い。モザイクをしても得られない。
 そして検索実行のボタンをクリックする。
 その結果が「プロダクトインベントリ」検索結果として表示される。その際,「ユーザー認証がされていないためプロダクト注文の実行はできません」というメッセージが出る。ASTERの利用者登録(利用者窓口のホームページの右上にその入り口がある)を済ませている場合は,利用者窓口のホームページで先に認証すればこのメッセージは表示されない。「検索結果の保存」を選ぶと,新規のページが立ち上がる。これをそのまま保存すると,画面で見られる書式は保存されず,改行などが失われてデータの構造が見えなくなる。そこで,この画面をエディターなどにコピーする必要がある。ただし,通常の注文をするのであればこの作業は必要としない。
 検索を地域を替えて検索する場合は,この検索結果のページを閉じて,「検索中止/戻る」のボタンを押す。条件入力値が残って生かされる。 登録済みユーザーは検索後,タブページでカバリッジマップを選ぶと検索済シーン群と目的領域が入ったグラフィック画像を得ることができる。その画像の一例(リンク)を示す。ズームインは,検索前でも検索後でもできる。カバレッジマップ上のシーン領域をクリックすると選ばれてその関連テキストの表示も変更される。

2. 目的領域と撮影シーンの領域との関係の把握

 前述の検索後のカバリッジマップの表示で目的領域とシーンとの関係をかなり詳細に捉えることができる
参考: 購入の予定が無いのであれば登録するのは止めた方がいい。文書の郵送(要捺印)など審査過程がある。
ここに示されているように,茨木市の領域が少しでもシーンに引っ掛かると,ヒットする。その多くが茨木市域のすべての領域を含むものではない。モザイクで繋ぐ必要も出るが,GIS上でパッチングをしてゆく際により誤差が出ることが予測される。利用者サービスに問い合わせたが,目的領域を完全に含むシーンのみを検索するサービスはない。
 撮影日時が記録されているが,これはシーンの中心部を撮影したグリニッジ標準時(Greenwich Mean Time ,GMT)で示されている。例えば,2002-04-02T01:47:26Zでは,日本時間は10:47:26。
 求める画像を直接観察することもできる。インベントリ検索結果のタブページで,「ブラウズ」が用意されており,このタブをクリックすると,(用意されている場合には)画像が3枚表示される。このタブページの下部のボタンを使うと検索結果のグラニュールの配列に沿って順次表示することができる。必要な画像があればクリックして新規のwindowを開いて,画像をブラウザー外にドラッグドロップすればダウンロードすることができる。

3. レベル3A01画像の入手に関連するメモ

 この例では,茨木市域を完全に含むグラニュールが4件ヒットしたが,領域と撮影日時を見るとソースが全く同じものである。ASTL1BやAST3A01のソースはASTL1Aであるが,ASTL1Aがヒットしなかった。この件についても利用者サービスに問い合わせたが,レベル1Aが無いということは元の1Aの信頼度が低いということである。低いものは掲載していない,レベル1Aが無いからレベル3A01つまりDEMを使ったオルソ画像データを作成することができないということである。
 なお,グラニュールの「地図投影法と内挿法」属性を見るには,検索結果のタブページで,「スペシフィックメタデータ」内の項目「PROCESSINGPARAMETERS」内のRESMETHOD(内挿法)とMPMETHOD(地図投影法)にある。これも問い合わせの結果得たものである。

4. 同じ場所,同じ日時の複数ファイルからの選択(認証済みが前提)

 前述のように,領域と撮影日時の同じグラニュールが4件ヒットした。レベル1Bを利用するつもりであるなら,これから適切なものを選択することになる。各グラニュールにスペシフィックメタデータなどが付属しており,このデータを元に検討する必要がある。
 メタデータは検索結果のテキストファイルには含まれていない。検索結果が表示されるとそれ以外のタブページが用意される。先に認証をしておかないと,これはグレイ表示されている。それゆえ,登録している場合は必ず認証を先に行う必要がある。カバレッジマップの利用もできる。

5. 注文プロセス

 注文プロセスが用意されており,この中を見ることでデータの質なども理解することができる。配布媒体の希望,データフォーマット(通常はHDFを利用する,もう一つにCEOSがある)の希望などを選ぶ必要がある。
 DEMで補正されたオルソ画像が必要なら(レベル3A01),レベル1Aを選んでその後の処理を依頼することになる。そのボタンは「P G」(リンク)で,ここで必要なプロダクト名を選択することができる。投影座標や投影法,リサンプリングの手法も選択することができる。投影法はレベル3A01の場合は,UTM,ランベルト正角円錐図法,等緯経度図法がある。UTMを選んだ時,そのゾーン番号を入力する必要がある。検索位置によっては自動的にゾーン番号が何故か入らないことがある。複数の画像をパッチングしてゆくときは敢えて一つのゾーンに統一する必要があるかも知れないのでUTMゾーンの選択が可能なのであろう。リサンプリングの方法は3種類あるが通常はデフォルトの三次畳み込み内挿法(キュービックコンボルーション法)を選ぶ。レベル1Bの場合は,投影法の選択肢が増えて前述のもの以外にポーラステレオ図法,宇宙斜めメルカトル図法が追加される。UTM図法を選んでもゾーン番号を入力するフィールドは無い。
 オンライン注文をしない場合は,ASTERデータ配布申込書を下記のサイトから打ち出してファクスすればいい(DPRサブミット要求,をオンラインですることができるが,回線の状態では接続がうまく行かない...マックだから?)。見積もりが返ってくるので指示に従って送金して初めて注文が成立する。通常はこの送金の後,1週間〜10日で製品が届くということである。プロダクト料金は1グラニュール9,800円で,DEM付きのレベル3A01では19,600円(消費税込みだと20,580円)となっている。郵送代は込みである。
http://www.gds.aster.ersdac.or.jp/gds_www2002/service_j/g.u.p_j/haifumoushikomi_j.pdf
 注文する場合,木庭は国内では日本の従来の測地系( ASTERのPGの指定ではtokyo),海外については日本でも採用された世界測地系(WGS84)を指定している。上記pdfをIllustratorファイルに変更したサンプルをここに示す(国内注文用海外注文用)。敢えて圧縮していないのでブラウザーからメッセージが出るがダウンロードを選べばいい。


以 上