2006年9月5日作成 9月14日修正

1,レーザー回折粒度分析の前処理
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レーザー回折粒度分析の前処理

 このための準備過程は,従来の粒度分析と異なる。大雑把に次に示す。ただし,この方法はレーザー回折法の分析結果の意味を検証するためのものである。(後に写真を添付する)

1. 試料を20gほど四分法で,2セット(A,B)分取する。Aは全体の粒度分析用,Bは石英のδ18O用。以下,試料Aについて述べる。

2. 重量を正確に計測記録する。それぞれ,6%過酸化水素を固体(粉末)試料に加えて静かに攪拌する。40℃で1時間フタ(サランラップでいいと思う)をして煮る。泡が出なくなるまで処理すること。過剰な過酸化水素を飛ばすために,最後に沸騰させる。その後,0.2wt%ヘキタメタリン酸ナトリウムで分散する。

3. 試料は,特別な目的がなければ金篩250μmを使って,水流で細粒分と粗粒分に分ける。

4. 粗粒部と細粒部では,求める乾燥の程度に大きな違いがある。
 粗粒部は,完全に乾燥させる。 粗粒なので, 攪拌の上,静置して,上澄みを捨てる(浮遊している雲母などは金篩で受けること)ことで,水分はほぼ取ることができる。その上で,110℃5〜10時間ほど恒温乾燥器に置く。
 細粒部は,懸濁したままなので,十分に攪拌したあと,ホットプレート上で乾燥させる。ホットプレートは130℃に設定(水温は70℃ぐらいになるか)。完全に乾燥させてはならない。多少湿気を帯びたケーキ状にする。

5. 粗粒部はまずは計量し,金篩で粒度分析し,画分も計量する(0.0000mgオーダー)。

6-1. 細粒部の一部はレーザー回折粒度分析に回す。パウンドケーキを切るように(木の小さなヘラで粗粒〜細粒のすべての層が入るように垂直に取る),少量(これがどの程度か今のところわからない)を中央付近で4カ所取る。そして,風袋計量済みのアルミフォイルに入れて計量する。
 ビーカーに残った試料は,こそぎ取って,とれないものは少量の水で洗って,蒸発皿に入れて,80℃で10時間乾燥させて,計量する。先の少量4試料のうち,レーザーに使わなかった試料を乾燥させて後に計量する。これで含水比がわかるので,レーザーで使用した試料の乾重も知ることができる。

6-2. 別途,レーザー回折粒度分析装置の部屋に行って,小分けした試料をそれぞれについては全量小さなビーカー(50cc)に入れて超音波洗浄器にかけて,サンプラの水槽に全量投下する。スペクトル強度に達すれば,小分けした試料の全量投下を止める。

途中ーーーー

 

8. A粗粒部(44μmまたは250μm以下)の金篩粒度分析法の結果と,B細粒部のレーザー回折法の結果の粒径の重なり部分の分布を比較分析する。

9. 過去に実施したピペット法の結果と, A細粒部のレーザー粒度分析法の結果を比較分析する。

備考:インドヒンドスタン平原の粒度分析(4試料)結果と比べて,考察し,レーザー回折法のメリットと限界を確認する。これは関西大学博物館紀要か季刊地理あたりの研究ノートに掲載する。全員でがんばって欲しい。木庭

レーザー回折粒度分析

分析試料の投入の際の注意

 投入試料は母集団と同様の粒度分布でなければならない。その点は前章で述べるつもりである。前処理済みの試料ケーキは0.1〜0.2グラム(要確認)が濃度その他の点から適当である。投入前に十分に超音波洗浄器での分解を実施する必要があるが,分封する際の試料は湿っているのでアルミ箔に納める必要がある。50ccビーカーに投入する際にはできるだけ水を使わないようにしてアルミ箔に付着する試料を洗うこと。試料溶液は??ccまでが適当。
 もし,試料溶液が??を超える(最大???ccまで可能)場合は,投入槽から試料液が外に流れ出すので,ブランク測定のあと,投入槽の最下部に水面が見える程度まで水をドレインして,試料液を投入する必要がある。そのあと,水をフィードする。

 

分析結果のエクセルなどでの利用

 分析を終えて,データをエクセルなどで独自に分析するには,次の方法でデータをコピーアンドペーストする必要がある。


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